注目作が多い今クールのドラマの中でも、長澤まさみ(35才)が主演を務める『エルピス ─希望、あるいは災い─』(フジテレビ系、関西テレビ制作)には特筆すべきポイントがある。
「シニア男性からの評判がかなり高いんです。テーマが冤罪事件であり、実際に1990年代に日本中を震撼させた『足利事件【※】』を題材にしていることが、普段ドラマを見ない層にも響いているということなんでしょう」(テレビ局関係者)
【※足利事件/1990年、栃木県足利市で4才の女児が行方不明になり、翌朝に近くの河川敷にて他殺体で発見された。無期懲役の判決を受け服役していた男性が、逮捕から17年後にDNA鑑定の結果、冤罪であることが明らかになった】
初回放送時には、足利事件をはじめとした未解決事件や凶悪事件に関する書籍が「参考文献」として9タイトルもクレジットに並んだことが話題になった。
「同作では、冤罪事件を取り巻く警察の捜査手法のみならず、冤罪を“作り上げてしまう”テレビ局やメディアの取材・報道姿勢にまで光を当てています。制作陣による緻密な準備があるからこそ、骨太な作品に仕上がっているということなのでしょう」(芸能関係者)
長澤は、2018年4月クールの『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)以来4年半ぶりの連ドラ出演だ。
「その間、長澤さんは『キングダム』や『シン・ウルトラマン』『百花』といった話題の映画に連続して出演しました。今回、満を持して“ドラマ復帰”を決断した背景には、ある先輩女優の存在があったそうです」(前出・芸能関係者)
その女優は、松たか子(45才)だという。かねて、長澤は松を「憧れの女優」と公言してきた。
「2005年の、戦争を題材にしたスペシャルドラマでの共演がきっかけです。松さんと長澤さんは姉妹役でした。当時、長澤さんはまだ10代。すでに映画やドラマへの出演が増えてきていましたが、松さんの演技への取り組み方などから、さまざまなことを学んだそうです」(別の芸能関係者)
2018年には、長澤が劇団☆新感線の舞台に挑戦。その役は以前、松が演じたものだった。
「松さんに相談したこともあったそうです。長澤さんの不安に、松さんは“大丈夫、できるから!”と前向きに励ましてくれたそうで、長澤さんも“松さんに勇気をもらいました”と話していました」(舞台関係者)