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96歳の女性皮膚科医、皮膚の異変は体調変化のサイン 男性にも「日焼け止め」を推奨

前田ヒフ科・泌尿器科院長の前田慶子氏

前田ヒフ科・泌尿器科院長の前田慶子氏

 精神科医の和田秀樹氏が書いた『80歳の壁』がベストセラーになっているが、健康寿命を延ばすためには何を心がければ良いか──それを知る“生き証人”が80歳を越えた今も現役で活躍する医師たちだ。今も現役で働く前田ヒフ科・泌尿器科院長の前田慶子(96)氏に、健康にとって大切なことを聞いた。

 * * *
 いま、96歳。戦争を知っている世代で、大阪で病院を開業したのは昭和34年です。夫(98)とは結婚70年になりますが、彼もまた医師です。

 夫が体調を崩してからは少しずつクリニックの営業日を減らし、現在は週2回、開けています。何十年も通ってくださる患者さんもいて、去年1か月くらい休んだら、「生きてはってよかった!」なんて声もいただきました(笑)。

 いまは夫と2人だけの生活なので、自分の人生に責任を持って生きることを大切にしています。とはいえ、毎日の生活で「健康のために」と自分に特別強いていることはなく、好きなことをして、好きな物を食べ、好きなようにしています。

 麺類があまり好きではないくらいで、お肉、お魚、果物、お菓子もよく食べます。生活に気を遣いすぎないのがいいのかもしれません。

 最近は運動らしい運動もしていませんが、20年くらい前までは水泳をやっていました。学生時代から身体を動かすことが好きだったので、基本的な体力の積み重ねはあるのかもしれません。

 ただ、ハードな運動はしなくても、「週2回の診療」が、生活のリズムにつながっています。診察時間に合わせて起きて、数分歩いてクリニックに向かう。お昼に一度自宅に戻り、また診療に出かけます。これがあると、生活リズムは崩れません。

 私の専門は皮膚科ですが、加齢とともに症状として現われるのが「乾燥」です。高齢の人は身体の水分量が減少傾向にあり、皮膚の潤いが失われがちです。乾燥すると痒みが生じますが、ガリガリこすってはいけません。掻くことで皮膚の一番外の表皮に傷がつき、身体の防御力が落ちることになります。高齢の方は抵抗力も落ちてくるので、皮膚から菌が侵入することで炎症が起こる可能性は高くなります。

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