ライフ

検診での早期発見が難しい「卵巣がん」 見つけるためのエコー検査

(写真/GettyImages)

子宮体がんは更年期以降に増加(写真/GettyImages)

 自治体(市区町村)が行うがん検診は、胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5種類。このうち婦人科に関連するのは、乳がんと子宮頸がんの検診で、費用の多くが公費(税金)負担となる。検診の重要性等について「ピュールレディースクリニック錦糸町院」「赤羽駅前女性クリニック」統括院長の深沢瞳子さんに聞いた。

──閉経後、婦人科検診は不要ですか?

「更年期や閉経を迎えると、『今後、妊娠はしないから子宮や卵巣の病気をもう心配しなくてもよい』と考える人が多いようですが、それは誤解。子宮体がんは更年期以降に増加し、卵巣がんや乳がんも高齢でも罹患するので、検診を受けることはとても重要です」

──卵巣がんの検診が含まれないのはなぜですか?

「卵巣がんは子宮がんのように検診によって早期発見することが困難です。仮に3か月おきに検診を受けていたとしても、進行がんにまで発育してから発見されることもあるため、1年に1回の検診では死亡率を下げられないことから自治体の検診には含まれていません。また、卵巣は親指大の非常に小さな臓器であり、かなり大きく腫大するまで自覚症状もありません。子宮頸がん検診の際には、せっかく内診台に上がって検査を受けるのですから、嫌な検査は一度で済ませるつもりで、経腟エコー検査も追加してほしい。経腟エコー検査は卵巣がんだけではなく、良性の卵巣腫瘍や最近激増している子宮内膜症などの発見にも有用です」

──検査方法は?

「腟の中に指を入れながら、もう一方の手でお腹を上から押さえ、子宮や卵巣の腫れを診察(内診)しますが、更年期になるとお腹まわりに皮下脂肪がたまりやすくなるため、親指大ほどの卵巣が直径5㎝ほどになってもわかりにくい。経腟エコー検査では、卵巣の大きさだけでなく、形態や性状まで確認できます。エコー検査はレントゲンのように放射線を使うことがないため、被曝を気にせず、妊娠中でも安全に子宮や卵巣を調べることができます。経腟エコー検査で卵巣腫瘍などを疑う所見がある場合は、MRIなどのさらに詳しい検査に進みます。

 そのほかに『腫瘍マーカー検査』という血液検査もあります。これだけでがんが発見できるわけではありませんが、婦人科系以外の病気の発見にもつながるので、余裕があれば受けるといいでしょう」

※女性セブン2022年12月1日号

検診を受けない理由とは?

検診を受けない理由とは?

受けておきたい検査一覧

受けておきたい検査一覧

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」