放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、東京漫才師による漫才史についてつづる。
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テレビを見ても関西勢の「お笑い」に押されっぱなしの関東演芸界。そんな時、昨年若き“漫才協会”副会長、ナイツの塙から「どうかひとつ、高田センセー“漫才協会の外部理事”という事で」と勝手に決められ、私に小さな小さな肩書きがひとつ付いた。
「その代わり何の権限もありませんし、世間に言っても理解されません」と踏んだり蹴ったり。すべて無償のボランティア、少しでも東京の笑芸界の役に立つならと粉骨砕身(辞書をひいたら力の限り努力するとあった)身をけずったら「協会の為だから献金もしろ」とまで言われかねない。この1年外部理事としてやったことはほとんどが青空球児(会長・ゲロゲーロ)・好児との茶飲み話。やれ「腰が痛い」だの「目がかすんできた」「昔は元日にフジテレビで長いこと生放送やってたよな。お互い若かったものな」など昔話。
そこで副会長の塙と企画を立てたのが『ザ・東京漫才 ──漫才師の漫才史』。漫才協会のホーム東洋館である。2回やったのだが即ソールドアウトの大人気。ここはきっとライブ王である私の人気も大きかったのだろう。前半は若手、後半にタップリと浅草の話、芸人達の話を球児好児に私とナイツがきいた。意外な芸能史が出てきて大爆笑。
さあそこで11月18日、情報解禁(そんなに大した情報でもないが)。11月18日に前売りを開始したのは『第三回ザ・東京漫才』。2023年(年明けすぐ)1月18日(水)、開演19時。浅草東洋館である。今回のテーマは劇団ひとり監督作品でも話題になった『浅草キッド』。東洋館とくればその昔はフランス座。そう伝説ともなったあのツービートが出会いコントをやった所である。あの世界の北野に恐れ多くも「コントやんない? 漫才やんない?」と誘ったスカウトマン兼、山形が伝説のツチノコ芸人、ビートきよしである。今回はいよいよ私が腕によりをかけてお呼びしましたよ。
そしてもうひとりズバリ「浅草キッド」。ビートたけしに弟子入りしフランス座に水道橋博士と共に預けられ修行という名のタダ働き、ご存じ玉袋筋太郎もやってくる。
ふたりには色々きいてみたいこともある。「各々の相方は今どうしているのか? 博士は本当に国会へ行ったのか」。当日は私とナイツのするどい質問に色んなウラ話が飛び出すかも。
前半の演芸はわらふぢなるお、コウメ太夫(チッキショー)、ねづっち(ととのいました)、ナイツ。皆様お越しを。
以上“外部理事”からのお知らせでした。
※週刊ポスト2022年12月2日号