〈私たちの愛し合う様子を投稿してるよ! 月額980円で顔出しプランもあるから入会してね!〉。絵文字付きの文字が躍るインターネット上の画面。検索欄には「個人撮影」「素人」などのキーワードが並び、その下にはマスクを着けたカップルたちの動画がズラリと並ぶ──有料会員制ファンサイト「ファンティア」の一画面だ。
ファンティアは誰でも無料でファンクラブが開設でき、イラストや小説などを手軽に投稿できるサイト。昨今、このようなファンサイトに個人撮影のアダルト動画をアップし、大金を稼ぐケースが急増している。
画面に映るのは、顔バレを防ぐためにマスクをして自室で行為に及ぶカップル。多くは局部にモザイクが入っており、“プロさながら”の動画も投稿されており、視聴者は無料から月額2980円など、様々なプランを選ぶことができる。
一般の素人カップルが自分たちのアダルト動画をアップするという風景は2000年代以降細々と存在したが、それが爆発的に増えるきっかけのひとつになったのは、昨年5月にAbemaTVで放送された『給与明細』という番組だとされる。
ごく普通の日本人カップルがスマホで撮った自らの行為の動画を世界最大級のアダルト動画投稿サイトで配信し、最高月収4000万円を稼いだと公表。放送終了後、我先にと一攫千金を夢見た新規参入者が相次いだ。その番組で紹介されたのが彼氏のドM(24)と彼女のあゆみ(22)『えむゆみカップル』だ。
「私たちのウリはなんと言ってもリアル感だと思う。特に台本も作りませんし、派手な動画は撮りません。お互いが“したくなった”時に、ぶっつけ本番でスマホと定点カメラで撮影し編集したものがほとんどです」(あゆみ)
リアル感溢れる動画で大人気を博しえむゆみに続けとネット上に動画を上げる人々が溢れた。
「有料会員制のファンサイトは一度会員になってもらえれば再生数にかかわらずお金が入ってきます。僕らもファンティアなどいくつか掛け持ちで展開していて、『ポルノハブ』など無料で動画が観られるサイトはファンサイトへの誘致のために使っていました」(ドM)
月額1000円のファンサイトに1000人のファンがつけば、サイトに払う手数料を除いても月50万円以上の固定給が得られる、というわけだ。ファンサイト内では、ファンがリクエストし、カップルが「こう?」と実演で応える密なやりとりもうかがえる。