「コロナ禍では、感染時に発熱することを恐れるあまりに解熱薬や総合感冒薬を先にのんでおく人もいますが、これはデメリットの方が大きい。
先に解熱薬をのんでしまうと、本来どのくらいの症状が出ているのか判断できなくなるうえ、コロナやインフルエンザなどほかの発熱する病気を見逃しやすくなります」
服用する回数やタイミングは、工夫しながら上手に守りたい。三上さんが言う。
「特に気をつけるべきは『食前』や『食間』という指示。それらは守らなければ薬の効き目に影響することがあります。たとえば抗アレルギー薬の『ビラスチン』は、胃にものが入っていると吸収が悪くなるので『食間』と指定されています。
反対に、『食後』は厳密に遵守しなくても支障がないケースもある。具合が悪くて食べられないときや、1日3食摂る習慣がない人は、医師や薬剤師に相談してほしい」
これからの時期に気をつけたいのは、忘年会などのお酒を飲む場だ。
「アルコールはどんな薬とも相性が悪く、吸収率にも影響します。『水でのんでいるから大丈夫』と言って、飲み会の最中や前後に薬を服用する人がいますが、それはアルコールで薬をのむのと同義です。薬の服用は、せめてお酒を飲み始める1時間前に終えるようにしてほしい。お酒の席が多い人は、昼間にのめる薬に変えてもらえないか医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう」(三上さん)
※女性セブン2022年12月8日号