昨年9月に長野県議会議員の妻が自宅で殺害された事件で、11月28日夜、夫の丸山大輔容疑者(48)が逮捕された。1年前の事件後、丸山容疑者はニュース番組の取材に対し、「真相を早く知りたい。犯人がどんな心境でそういうことに至ったのか、今はどうしているのか気になる」などと答えていた。
丸山容疑者は、長野県塩尻市で明治時代から続く老舗酒造「笑亀酒造」に生まれた。慶應大学を卒業したあと、先代社長の急逝により2002年に社長に就任。2019年の選挙で自民党の公認を受けて当選し、現在は2期目だった。地元の支持は厚く、過去2回の選挙はどちらもトップ当選だった。
「周囲からは国政への挑戦を勧められていましたが、本人は地元にこだわりがあったようです。少子高齢化対策や産業振興に力を注いでいました」(政治記者)
丸山容疑者を知る人物ほど、今回の逮捕に「まさか」という反応だ。近隣住民が語る。
「隣組(町内会)の長を担当する順番だったので、今年4月からお任せしていました。なにぶん忙しい方ですし、奥さんもいなくて大丈夫かなと心配していましたが、集金などの作業をしっかりやってくれました。そんな犯罪なんてするような方とは思えません」(地元住民)
酒造の社長として営業活動も兼ねて、あちこちの飲み会に顔を出していた。冗談好きで明るい人柄が慕われ、“笑亀(しょうき)マン”というあだ名で呼ばれていた。
「お酒好きでしたが、人に迷惑をかけるような飲み方はせず、みんなを楽しく盛り上げていましたよ。酒造の催し物では、自ら『笑亀マン』というキャラクターに扮して、参加者にお酒を勧めていました。また時には『塩尻市の名物として、“ヒップリン”なんてどうだろう』なんて言い出し、実際に試食会を開いたことも。県議会議員になってからはさすがに昔と同じようなノリで飲み会はできなくなりましたが、地元思いで明るくて、“笑亀マン”は人気者でした」(丸山容疑者の知人)
夫婦で酒造見学などの対応をすることもあった。20年来の友人は、「すごく仲の良い夫婦に見えた」と振り返る。