岡本和真が来季の主将に就任し、新たなスタートを切る巨人。原辰徳監督は元巨人・岡崎郁との対談で、今オフは資金面の余裕から来年に向け戦力補強に打って出る考えを明かしている。FA市場こそ静観したが、トレードで補強策に動く可能性が十分に考えられる。
スポーツ紙デスクは今季の巨人の弱点をこう語る。
「救援陣がウィークポイントです。守護神・大勢につなぐ勝利の方程式が確立できなかった。現状では鍬原拓也、今村信貴、高梨雄平、畠世周、右肘のクリーニング手術から実戦復帰を目指す平内龍太で回すことになるが、シーズン通じて成績を残した選手が少なく心許ない。中継ぎが不安定なチームは下位に沈む。5年ぶりのBクラスに沈んだのも当然でしょう」
トレードは出血覚悟で敢行しなければ、ピースにハマる選手を獲得できない。セリーグ球団の編成担当は、こう語る。
「巨人は素材の宝庫です。他球団からの評価が高い選手が多く、ウチもトレードで欲しい選手がいる。話題に上るのは岸田行倫です。彼はいい捕手ですよ。ファームでくすぶっているのがもったいない。大城卓三、小林誠司がいるため1軍に定着できていませんが、攻守のバランスが良く捕手としての能力は高い。配球術を叩きこめばレギュラーで十分に活躍できる。
もう1人は松原聖弥ですね。今年は打撃不振で1軍に定着できなかったが、自分のスタイルに迷いが生じているように見える。外野の守備と走塁は1軍でも高水準のレベルだし、打撃もパンチ力がある。指名打者制のパリーグで1番、もしくは9番で起用するのが面白い。松原は他球団に移籍したほうが輝けると思います」
岸田は2017年ドラフト2位で巨人に入団。同年のドラフト3位が大城だった。「強打の捕手」として知られ、報徳学園の時は高校日本代表で同学年の岡本とクリーンアップを組んでいる。プロ入り時から将来の正捕手と嘱望されたが、入団から4年の月日が経った現在もレギュラー奪取の道が遠い。山瀬慎之助、喜多隆介と若手も台頭していることで、存在感が薄くなっている。今季スタメンマスクを被ったのはわずか5試合だった。ファームでは攻守で高いパフォーマンスを見せているだけに、このまま伸び悩んでいるのがもったいない。
今年のFA市場は捕手が大人気で、森友哉が西武からオリックス、伏見寅威がオリックスから日本ハム、嶺井博希がDeNAからソフトバンクにそれぞれFA移籍した。正捕手を失ったDeNA、西武を筆頭に即戦力の捕手が欲しい球団は少なくない。岸田がトレードで交換要員になることは十分に考えられる。