ライフ

“和牛オリンピック”で9部門中6部門で1位「鹿児島黒牛」の秘密を探る

立派な鹿児島黒牛

立派な鹿児島黒牛

 美しく、おいしい和牛はどのように生まれ、育てられているのか。日本一の牛を育てた鹿児島の畜産農家を訪れると、そこは昔ながらの自然と最先端の科学、そして牛を愛する飼育主の姿が。鹿児島出身で「鹿児島黒牛を日本一に!」を先導し、農水大臣を歴任し知識の深い森山裕衆議院議員と密着!

 ムォーーォ。大勢の子牛が上げる鳴き声が、あちこちから聞こえる。鹿児島空港から車で15分ほどのところにある「姶良中央家畜市場」。ここでは毎月1回、2日間にわたって子牛のせり市が行われ、姶良地区から集められた500~600頭程度の子牛がせりにかけられている。

 子牛といえど300kgを超える個体も多く、引綱を持つ人が体重をかけ全力で引っ張らねば移動させられない場面も。せり場は半円形の階段教室のようになっており“舞台”に引き回されてくる子牛を、目利きたちが鋭い視線で見つめている。

 モニターには「生産者名」や「父母や祖父母の名前」「生年月日」「飼料」といった牛の情報が並び、入場番号のアナウンスと同時に開始価格が表示され、せりが始まると、価格はどんどん上がり競り合いに。鹿児島県は黒毛和種の飼養頭数が約32万頭で全国1位。鹿児島で生まれ、他県の銘柄牛となる牛も少なくない。

 5年に1度開かれ“和牛オリンピック”とも称される「全国和牛能力共進会」。鹿児島県のブランド牛「鹿児島黒牛」は、今年10月開催の第12回大会で全9部門のうち6部門で1位(農林水産大臣賞)を獲得した日本一のブランド牛だ。肉用牛繁殖雌牛の飼養頭数は11万7800頭、肥育牛(肉用種)の飼養頭数は14万2700頭とともに全国1位で、シェアは2割を占めるなど、生産数としても日本一だ。

 和牛オリンピックで最高の名誉「内閣総理大臣賞」を獲得した畜産農家で、人工授精師としても活動する藤山粋さん(47才)が自身の牛舎を前に話す。

「他県の人から『鹿児島県はなぜそんなにいい牛が育つんですか』と聞かれますが、官民をあげていい牛を作りたいという強い情熱があるんです。農家も行政も同じ方向に向かって一体になってこそ、鹿児島黒牛という素晴らしい牛が育っています」

関連記事

トピックス

4月14日夜、さいたま市桜区のマンションで女子高校生の手柄玲奈さん(15)が刺殺された
「血だらけで逃げようとしたのか…」手柄玲奈さん(15)刺殺現場に残っていた“1キロ以上続く血痕”と住民が聞いた「この辺りで聞いたことのない声」【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト