俳優の渡辺徹さん(享年61)が11月28日、敗血症で亡くなった。渡辺さんは1991年に急性糖尿病を発症し、2012年には虚血性心疾患で6時間もの大手術を受けた。翌2013年にはすい炎で入院。2016年からは糖尿病により腎機能が低下して、週3回の人工透析を受けていた。2021年にも大動脈弁狭窄の手術を受けており、生涯で多くの病魔に悩まされてきた。特に1991年の発症から長期にわたってつきあってきたのが糖尿病だった。
「妻の榊原郁恵さんはカロリーと栄養バランスを計算し尽くした食事を作って、健康管理を徹底しました。それでも染み付いた食生活を変えることは容易ではなく、渡辺さんが『量が少ない』などと不満を漏らし、けんかになることもあったようです」(夫婦を知る人)
運動もふたりだと捗った。
「渡辺さんはひとりだとなかなか運動をしなかったので、郁恵さんがウオーキングにつきあっていました。夫婦でおしゃべりしながら歩くのは、渡辺さんにとって楽しい時間だったようです」(渡辺さんの知人)
糖尿病は進行するにつれ、動脈硬化を招き、心筋梗塞など心疾患のリスクが増す。渡辺さんも心臓の手術を重ねており、心配は絶えなかった。
「渡辺さんは寝る直前まで台本を読むことが多かった。そこであるとき、明かりが迷惑だろうと郁恵さんを気遣って寝室を別にしようと提案したそうです。でも、郁恵さんは『いつ体調が急変するかわからないから』といって、同じ部屋で寝続けた。それほど郁恵さんは渡辺さんの体を気にかけていました」(前出・夫婦を知る人)
2016年からは腎機能の低下で週3回の人工透析が欠かせなくなった。榊原が病院への送り迎えをすることもあった。それでも病魔は渡辺さんの体を容赦なく蝕み続けた。
「ここ数年はインスリン注射も手放せない状態だった。ずいぶんスリムになり、ダイエットの成果かと思っていたのですが……体はもう限界だったようです」(芸能関係者)
2022年に入って、榊原の生活も変わっていた。
「今年3月、郁恵さんは13年間熱心に取り組んできた、野菜づくりをやめています。一緒に畑づくりをしているメンバーの高齢化のためと話していましたが、渡辺さんの体調が関係していたのかもしれません」(前出・芸能関係者)
いつ何があるかわからない──そう考えたとき、ふたりは後悔のない日々を過ごそうとしたようだ。行きつけだったイタリアンレストランの関係者はこう話す。
「最後にいらしたのは6月ですが“まずサラダから”といった以前からのルールは守りつつも、リゾットやパスタなどお好きなものを召し上がっていた。おいしい食事が何よりのご褒美だったようです」