2022年度は「村神様」が大賞を受賞した「ユーキャン新語・流行語大賞」。今年はスポーツ選手の受賞だったが、過去には数多くの芸人が流行語大賞にノミネートされてきた。ただ、そういった芸人たちは、休むヒマもないほどブレイクする一方、その後、露出が減るパターンも少なくない。2010年に「ととのいました!」でノミネートされたねづっちもそのひとり。ねづっちが当時を振り返る。
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「ととのいました!」が新語・流行語大賞でトップ10入りした2010年は、とにかく目まぐるしい1年でしたね。最初に注目されたのが『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「町工場芸人」の回で、そこでなぞかけを披露したら、宮迫(博之)さんに「今年くるで!!」と言っていただき、売れるきっかけになりました。大みそかまでで、休みは結婚式の1日だけ。今振り返っても、あの忙しさは何だったんだろうという感じです。
いろいろなお仕事でビッグな方にもお会いしましたが、やっぱり一番うれしかったのはビートたけしさん。浅草を舞台にしている僕からすれば神様のような存在で、そんな方から「なぞかけのあんちゃん」と声をかけられたのは一生の思い出です。
行く先々で「なぞかけ」を披露しましたが、ネタがかぶることも多々あり、鳩山由紀夫さん(当時の首相)とか、何回目だよっていうくらい振られましたよ(笑)。あとは、滝行をしながらなぞかけをするという企画があって、水の勢いでお題が聞き取れなくて、結局風邪を引いて帰ってきたということもありました。
そんな忙しいなかでも、足立区のケーブルテレビの情報番組には週4で出ていました。ブレイク前からお世話になっていたので、「降りる」とは言えなくて。でも、今も散歩番組を楽しくやらせてもらっているので、続けてよかったと思います。
体力的にも精神的にもキツくて、昔バイト先が一緒だったダンディ坂野さんに相談したら、「年を越したらウソみたいに落ちつくから」と言われ、本当にそうなりました(笑)。でも、僕は元々寄席や営業でやってきたので、元に戻ったという感じです。「ととのいました!」が流行語になったおかげで、僕を覚えてくれた方も多いので、これからも言い続けます!
取材・文/常井宏平
※週刊ポスト2022年12月16日号