党勢拡大のため、各政党の支援者が選挙に熱を入れるのは当然のことだ。その応援弁士が有名人ともなると、聴衆のみならず、陣営の士気も上がるというもの。創価学会の信者勧誘に貢献する芸能人たちは、公明党の「票集め」でもしっかりと広告塔の役目を果たしている。
本誌・女性セブンは前号(2022年12月1日発売号)で、芸能人や芸術分野の仕事に携わる信者で構成される「創価学会芸術部」と芸能界とのかかわりを特集した。
創価学会の元2世信者だったお笑い芸人の長井秀和氏(52才)も、かつて芸術部に所属していた1人だ。
「芸術部に所属する芸能人は、いわゆる広告塔であり、客寄せパンダのような存在です。選挙の際には、公明党の候補者の応援に駆けつけ、選挙カーの上に乗って街頭演説をしたこともあります」
長井氏がそう話すように、政権与党の公明党の支持母体が創価学会であることは広く知られている。
昨今、宗教団体と政治の繋がりに注目が集まり、公明党と創価学会の関係も「政教分離」を掲げる憲法に反するものだと指摘されることもある。しかし、それに対して公明党はホームページで次のように説明する。
《創価学会と公明党との関係は、あくまでも支持団体と支持を受ける政党という関係であり、(中略)憲法が規制対象としているのは、「国家権力」の側です。つまり、創価学会という支持団体(宗教法人)が公明党という政党を支援することは、なんら憲法違反になりません。》
このロジックに基づいて、選挙の際に芸能人たちは公明党候補の応援をしてきた。
創価学会が運営する「SOKAチャンネルVOD」という動画配信サービスでも、“広告塔”の片鱗がうかがえる。VODとはビデオオンデマンドの略で、地上波テレビと違い、見たいときに映像コンテンツが見られる配信サービスのこと。番組は、池田大作名誉会長が折に触れて行ったスピーチ集や、創価学会の歴史を紐解く動画、創価大学の紹介や子供向けのコンテンツなど老若男女問わず活用しやすい構成になっている。
中でも目を引くのは「VODセミナー」。お笑いコンビ・ナイツや久本雅美(64才)、柴田理恵(63才)、岸本加世子(61才)、山本リンダ(71才)などが集会などで語った自らの信仰体験やエピソードが収録されている。
長井氏によれば、「創価学会の華」と呼ばれる芸術部は学会の会員拡大のために、数多くの“勧誘セミナー”に呼ばれるという。同様に、選挙の時節になると、規模の大小はあっても選挙活動が熱心に行われるのだという。