激動の2022年が幕を閉じようとしている。思い返せば今年は政財界や芸能界で多くの著名人がこの世を去った。愛して止まないあなたへ。藤岡弘、(俳優)が島田陽子さん(7月25日没、享年69)へ“最後の手紙”をしたためた。
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なぜ、こんなに早く旅立ってしまったのだろうか。陽子ちゃん。もっと映像界に貢献していただきたかった。非常に無念で、残念でなりません。
あなたと初めてお会いしたのは、デビュー前の17歳の頃。『仮面ライダー』で共演する少し前でした。同じ事務所に所属していて、お互いに芸能界を何も知らない頃にあなたと出会った。
その頃から、あなたのとても可愛く、そして優しい笑顔が印象的でした。「陽子ちゃん」と声をかけると、嬉しそうな顔でニコッと笑ってこちらに来てくれる。その時の笑顔が、僕のなかでは一番印象的です。
まるで兄妹みたいに、壁を作らずに語り合える仲でしたよね。
その後は国際派女優としていろんな名作に出演していた状況なども見ていて、本当に素晴らしく成長していく姿を、とても嬉しく思っていました。ほとんど一緒にデビューしたような、出発点が同じような状況だったからこそ、とても嬉しかった。
特に思い入れが深いのは、ドラマ『オジロの海』で主人公である僕の妻を演じてくれたことです。『仮面ライダー』以来、久しぶりの共演でしたが、とても安心感があった。陽子ちゃんとの一番の思い出の詰まった作品でしたが、今となればあなたを思い出す作品でもあります。「また一緒に共演したいね」なんて話もしましたが、それも叶わず、非常に無念です。
あれは「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でお会いした時だったか。とても嬉しそうな顔で「私、結婚するの」と言って微笑んでくれたことを今でも思い出します。その嬉しそうな顔を見て、僕まで本当に嬉しかった。