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『鎌倉殿の13人』“運慶”相島一之が三谷幸喜に初めてお願いした「僕を出してくれないか」【『鎌倉殿』出演者リレーインタビュー】

相島一之さんが(C)NHK

相島一之さんは三谷幸喜氏と古くから親交がある(C)NHK

 12月18日に最終回を迎えるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』には、興福寺を拠点に活躍する奈良の仏師、運慶が登場した。焼き討ちに遭った東大寺や興福寺の復興に携わったと伝えられている芸術家だ。『鎌倉殿の13人』の運慶は、殺し殺される政治劇を傍観しながら、各所で印象的なシーンを残した。運慶を演じた相島一之さん(61)はNHKの大河ドラマは本作で5本目の出演となった。脚本の三谷幸喜氏とも古くから親交のある相島さんから、意外な裏話を聞いた。

「運慶って10回に1回くらいしか登場しないんですよね。忘れた頃に出てくるという感じ。運慶という人間は仏師、つまり木仏を彫る芸術家です。脚本の三谷さんはこれまでも芸術家を多く描いています。

 僕は三谷幸喜の主催する劇団・東京サンシャインボーイズの初期メンバーですから、付き合いはもう30年以上にもなります。僕も出させてもらったパルコ劇場の『コンフィダント』ではゴッホ、ゴーギャン、スーラ、そしてシュフネッケルという4人の画家のことを描いている。ゴッホ、ゴーギャン、スーラは有名ですけど、4人目のシュフネッケルはあまり知られていません。三谷さんはそこに注目して芸術家同士の友情をテーマにした『コンフィダント』を作り上げた。

 また、『国民の映画』ではナチス勢力下のドイツを舞台にして芸術と権力の狭間で葛藤する人たちを描いた。『ホロヴィッツとの対話』は天才ピアニストと彼に奉仕する調律師を描いた。

 三谷さんにとって芸術家を描くのは一つの大きなテーマなんだと思います。そして『鎌倉殿の13人』には運慶が登場します。今回は政治闘争の物語です。小四郎(小栗旬)が時代の大きな波に飲み込まれて歴史の表舞台に押し出され、北条義時という人間になっていく。その権力闘争と止むに止まれぬ人間関係の悲劇を描きながら鎌倉時代の成立を僕らに見せてくれます。

 運慶は政治闘争の埒外にいて、どこか小四郎の傍観者であり、どこか観客の目線でもある。そういった役どころなんでしょうね。芸術家である運慶の眼差しを入れることで物語に奥行きが生まれますよね」

 相島さんと三谷氏の出会いは大学時代にさかのぼる。

「僕が立教大学の学生で、三谷さんは日芸(日本大学芸術学部)です。僕は立教大学で演劇をやっていました。三谷さんとの出会いは大学の5年生だったかな(留年中)、5年生の終わりごろだと思います。僕はそのまま大学6年生になっていくんですけどね(笑)。

 当時、自分はこれから演劇で生きていこうと決めた頃でした。でも実際どうしたらこの後も演劇で生きていけるのか全くわからずに、とにかく無我夢中でした。おしゃれな立教大学の中で留年してまでもしつこく演劇をやっている。あの頃の僕は大学では浮いていたと思います。でもそんなときに、僕のことを面白い、変なやつがいるって三谷さんに紹介してくれた人がいた。

 三谷さん自身は東京サンシャインボーイズを旗揚げはしていましたが、まだまったくの無名でした。自分の劇団をどうにかしたいって思っていた時期だったのだと思います。そんな時に“面白いやつがいる”という、たまたまその一言で僕に会いに来てくれて、一緒に芝居をやらないかと誘ってくれた。それが、ほんとに僕の人生の転機ですよね」

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