芸能

映画『カメラを止めるな!』劇場支配人が語る「ロングラン上映させる意味」

池袋シネマ・ロサでの最終上映記念の寄せ書き

池袋シネマ・ロサでの最終上映記念の寄せ書き

 当初は新宿のK’sシネマと池袋シネマ・ロサの二館のみで始まった『カメラを止めるな!』の上映だったが、連日の満席を受けて全国のシネコンでも拡大上映されることになる。その時の様子を、池袋シネマ・ロサ支配人の矢川亮氏に映画史・時代劇研究家の春日太一氏が当時の裏側を聞いた。

 * * *
矢川:正直、シネコンさんが拡大した最初の一週間は、やっぱりガクーンってお客さんが減っちゃったんです。でも、拡大上映のときにマスコミが大きく扱ってくれたので、次の週ぐらいからバコーンと戻ってきて。だから、影響があったのは数日でしたね。一日に七、八回やって、そのうち、五、六回は満席になっていました。

 ただ、こういう非常に特殊な興行になってしまったので、一部の地方のミニシアターの皆さんにはちょっと歯がゆい思いをさせてしまいました。本来であれば、ミニシアター冥利に尽きるような作品興行なんですよ。シネコンより後にやらざるを得ない環境になってしまった劇場さんがあったみたいなので、それは――僕らが言うことじゃないですけど――ちょっとかわいそうな思いをさせた劇場もあったんだなと思いました。一気に三百スクリーン以上いきましたから。

―― 一方で池袋シネマ・ロサではかなりのロングランになりました。

矢川:とにかく終わりは決めずにやりました。シネコンさんだってずっと上映できるわけではないから、こちらはとにかくずっとやろうと。それで公開百日記念とか、二百日記念とか、年越しとか、定期的にイベントをしました。それでも、公開して百日目ぐらいまでは相変わらずスタッフ、キャストの誰かしらが舞台挨拶に来てましたね。

 うちは比較的フレキシブルに対応しやすいんです。『カメ止め』に限らず、けっこうロングランしますから。「よそが終わったあともうちはやってるよ」みたいな感じのことが多いんですよね。

 例えば『君の名は。』が一番長くて三百三十七日。『カメ止め』は二百五十八日。もともとそういう感じで「一日でも長くやろう」という気風があるんです。

関連記事

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン