芸能

『M-1』VS『鎌倉殿』、「世界トレンド1位」の最高峰バトルを制するのは?

注目度抜群の『M-1グランプリ2022』(公式HPより)

注目度抜群の『M-1グランプリ2022』(公式HPより)

 注目の2番組が、本日夜放送される。漫才師の頂点を決める『M-1グランプリ2022』(ABCテレビ・テレビ朝日系)と最終回を迎えるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』だ。どちらもネット上などを中心に視聴者の高い関心を集めるのは必至。いったいどちらに軍配が上がるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 18日夜、『M-1グランプリ2022』が放送されます。

 今や『NHK紅白歌合戦』と並ぶ師走の国民的番組であり、「その注目度や影響力はテレビ番組の中でもトップ」と言われるだけあって、例年ツイッターのトレンドランキング上位を席巻。何が起きるかわからない生放送であり、芸人たちが人生を懸けて挑む真剣勝負に多くのツイートや関連記事が飛び交い、ネット上をにぎわせています。

 一方、他局は日本テレビが動画集特番の『ワールドドキドキビデオ』、TBSが報道特番の『報道の日2022』、フジテレビが音楽特番の『これが定番!世代別ベストソング ミュージックジェネレーション』と真っ向勝負を避けるようなラインナップ。『M-1グランプリ』の対抗馬擁立に及び腰のような姿勢が見られます。

 しかし、今年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)の最終回という強烈な対抗馬が現れました。同作は1月の開始以降、大半の放送でツイッターの世界トレンド1位を獲得してきたほか、『日本代表VSコスタリカ代表』の放送でサッカーワールドカップ一色だった11月27日ですら上位にランクインし、「Yahoo!検索大賞2022 ドラマ部門」1位にも輝いています。

 つまり、ツイッターのトレンドランキングでは、「テレビ業界ナンバーワン番組の『M-1グランプリ』」と「今年放送されたナンバーワン番組の『鎌倉殿の13人』が真っ向対決するということ。「今年最高のツイート数になるだろう」という声もある両者のバトルは、「どちらが勝つのか」「どんなワードが飛び交うのか」などの興味は尽きません。

主人公・義時の死に方が鍵を握る

「けっきょく『M-1』が勝つんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そうと言い切れない理由を次々にあげられるのが『鎌倉殿の13人』の凄いところ。

 すでに「総ツイート数は今年に限らず過去最高クラス」という評価があるように、『鎌倉殿の13人』は日本唯一の年間ドラマながら、中だるみは一度もなく濃密な人間ドラマを見せ続けてきました。ネットメディアも序盤から「世界トレンド1位は当たり前」という扱いで、「どんなワードがいくつ何位に入っているか」を報じていたことがその凄さを物語っています。

 しかも前回11日の放送は、約4分にわたる北条政子(小池栄子)の演説シーンにネット上が沸いたところで終了。さらに最終回では、主人公・北条義時(小栗旬)の死に方に対する報道が相次ぐなど、ますます結末への期待値が上がっています。

 制作統括の清水拓哉さんは、「最終回のラストシーン。もはや小栗旬ではない北条義時の、手負いの獣のような姿に、見ていて窒息しそうになりました」「ラストシーンが非常に注目されていますが、そこに至るまでも日本の歴史の転換点が凄く人間くさく描かれます」「(キャストもスタッフも)みんな一様に驚いた」「義時がかわいそうで、いとおしくてならなかった。今思い出しても涙が出てきます」などの意味深なコメントを連発。

 さらに脚本を手がける三谷幸喜さんも、「いろいろな人の死に関わっていった彼が最後、『幸せに亡くなっていいんだろうか』という思いが凄くあって。『やっぱり彼なりの最後というものをきちんと描くべきじゃないか』という感じがしての最終回。だからあまり大河ドラマではない、主人公のラストシーンになった気がします」とコメントしました。

 これらを受けてネット上で結末の推理合戦が行われているだけに、どんなラストシーンになっても大量のツイートが飛び交うのは間違いないでしょう。極めていい意味で最終回のハードルが上がっている状態であり、「一年間見続けてきた」という思い入れも含めて、どこまでツイート数が伸びるのか楽しみです。

関連記事

トピックス

「ONK座談会」2002年開催時(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 長嶋一茂のヤクルト入りにカネやんが切り込む「なんで巨人は指名しなかったのよ。王、理由をいえ!」
週刊ポスト
タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン