2022年はサッカーW杯で盛り上がったが、今度は「野球」の番だ。2023年3月、世界一を決める祭典「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」が開幕する。短期決戦で悩ましいのが選手選考と起用法。ひとつの選択が勝敗を左右する。WBCを戦った経験を持つ3人にそれぞれの考えを聞いた。
「今回は期待できる」
2006年の第1回、2009年の第2回大会で連覇を果たした「侍ジャパン」。しかし、その後は2大会連続でベスト4と苦杯をなめただけに6年ぶりの開催となる今回は世界一奪還に期待がかかる。
11月に行なわれた強化試合では28人の選手が招集された。内訳は投手13人、捕手が3人、内野手・外野手がそれぞれ6人という構成だった。スポーツ紙デスクが語る。
「28人中15人が代表に初選出で、特に投手陣はロッテの佐々木朗希(21)など若い選手が目立ちました。栗山英樹監督は“ピッチャーを中心に守りをしっかりしながら、センターラインの選手を選んだ”“野手は2つ以上のポジションで一定のレベル以上の守備ができるかが基準”と説明していた」
基本的にはこの28人が軸だが、1月末の最終選考ではメジャー組が選出されると見られている。
「エンゼルスの大谷翔平(28)、パドレスのダルビッシュ有(36)、カブスの鈴木誠也(28)が参戦を表明しています。連覇を果たした第1回大会はイチロー、大塚晶則、第2回はイチロー、松坂大輔、岩村明憲ら5人もメジャーリーガーが参戦した。それが第3回は0人、第4回は青木宣親ひとりと海外組の不参加が結果に直結したので、今回は期待が持てる」(同前)
ただ一発勝負の短期決戦は起用法ひとつで勝敗が変わってしまう。今回本誌・週刊ポストは、WBCのV戦士である里崎智也氏(46)、岩村明憲氏(43)、投手コーチだった山田久志氏(74)にそれぞれが選ぶ「最強オーダー」を聞いた。
「大谷の二刀流は難しい」
第1回はヤクルト、第2回はレイズ在籍時に連覇を経験した岩村氏は、国際大会において「メジャー在籍選手がいることの重要性」を説く。
「国際試合は国内のリーグ戦とは野球観が違います。私も2009年の時はメジャーにいましたが、最初の大会ではイチローさんや大塚さんから伺う話が非常にプラスに働きました。それに“大丈夫だよ”という簡単な言葉でもメジャー経験者から言ってもらえるだけで背中を押される。今回も大谷君やダルビッシュ君、鈴木誠也君が精神的な支柱になると思います」