「今年もみなさんに歌を聴いていただけてよかったです」。2022年12月15日、都内で開催された松田聖子(60才)のクリスマスディナーショー。白いロングドレスで登場した聖子は終始笑顔を絶やさず『Sweet Memories』や『あなたに逢いたくて』など計17曲を歌い上げた。
神田沙也加さん(享年35)が2021年12月18日に急逝してから約1年。一周忌を目前に行われたショーで、聖子が沙也加さんの話題に触れることはなかったが、随所に愛娘への思いが込められていた。
「中盤に聖子さんが沙也加さんの持ち歌だった『アナと雪の女王』の挿入歌『生まれてはじめて』を披露すると、客席のあちこちからすすり泣くような声が聞こえてきました。終盤に歌った『時間の国のアリス』も沙也加さんが大好きだった曲としてファンに知られる名曲です。直接は語らずとも聖子さんの娘さんへの思いが充分に伝わってくる素敵なショーでした」(会場にいたファン)
沙也加さんが亡くなった年の大晦日、聖子は出場予定だったNHK紅白歌合戦を辞退。2022年末の紅白も出場者のリストに名前はなかった。
「NHKは交渉を続けていますが、色よい返事はもらえていないようです。当初の企画段階では、聖子さんを筆頭に郷ひろみさんや中森明菜さんなど1970~1980年代のアイドルに総出演してもらう構想があったといい、工藤静香さん(52才)もそのひとり。9月に放送された『SONGS』(NHK)で静香さんが長女でフルート奏者のCocomiさん(21才)と共演したのも紅白への布石で、大晦日の本番も“母娘共演”が演出の目玉として予定されているそうです。
実は、これが聖子さんサイドが紅白出場を断念した理由の1つとみられています。“母娘共演”という点で、どうしても沙也加さんのことが思い出されてしまいますから……。紅白全体の雰囲気に配慮して、最終的にはオファーを固辞されたと聞いています」(NHK関係者)
心の傷もまだ癒えてはいない。2022年11月、都内の映画館で行われたイベントのトークショーで聖子は「沙也加に会いたい……」と嗚咽し、ステージの中央にうずくまってしまう場面もあった。
「メンタル面にも不安があるようです。理解のあるファンの前では歌えても、紅白のような大きな舞台に立つのはまだ難しいという心境ではないでしょうか」(芸能関係者)
それでも引退や休業は念頭にない。冒頭のディナーショー終盤で、聖子は涙を流すファンに向けてこう言った。
「みなさん、今日は本当にありがとうございます。私はこれからもずーっと、歌い続けます」
深い悲しみを抱えながらも、聖子は前を向こうとしている。
※女性セブン2023年1月5・12日号