スポーツ

ボディビル世界一「ミスター・オリンピア」にハディ・チョーパン 戦国時代再び

筋肉のカットも光る抜群のコンディションで初優勝を果たしたハディ・チョーパン(写真はインスタより)

筋肉のカットも光る抜群のコンディションで初優勝を果たしたハディ・チョーパン(写真はインスタより)

 米国・ラスベガスで12月17日夜(日本時間18日未明)、ボディビルディングコンテストの世界最高峰「ミスター・オリンピア」が開催され、ハディ・チョーパン(35、イラン)が優勝した。昨年の優勝者「ビッグラミー」ことマムド・エルスビエイ(38、エジプト)をはじめとする並み居る強豪を破ったことで、話題となっている。

 優勝したハディは身長170cmと出場者の中では小柄ながら、「あれだけバルク(筋肉の大きさ)を増してきていたら、強い」(ボディビルに詳しいライター)という完成度だったとされる。確かに胸や肩周りの発達は、目を見張るものだった。ボディビルの評価基準は、バルクやコンディション(筋肉の状態。脂肪を落とし筋肉の境目の陰影(カット)や微細な筋の入り、肌艶や健康的かどうかなどで判断)の良さ、シンメトリー(左右対称さ)などだ。

 特に今回は“激戦”だったとされる。前回、上半身下半身共に圧倒的なバルクとコンディションで勝利したビッグラミーが「仕上げきれていない」(前出のライター)状態だったが、巨大な肉体を維持しながらコンディションを整えるのは至難の業。特に、トレーニングも栄養法も極限まで突き詰められた近年のボディビルでは、2017年までの7連覇(フィル・ヒース、米国)を最後に、毎年のように新たな王者が登場している。

「ハディは今回もしっかり絞りカットも美しかったことなどが評価されたようですが、準優勝には階級を上げたばかりのデレク・ランスフォード(米国)が食い込んできた。2019年に優勝したブランドン・カリー(米国、今回4位)もいるし、今後も目が離せない“戦国時代”でしょう」(同)

 ちなみに、中東出身ビルダーの優勝は過去一度(レバノン出身のサミア・バヌー。1983年)だけだが、「世界一発達した背中」と呼ばれ、今も語り継がれる。優勝こそないが歴史に残る芸術的な腹筋を武器に上位を脅かし続けたアーメッド・ハイダー(シリア)も、“信仰”され続けている。圧倒的強さの欧米勢と、色褪せない輝きを放つ中東ビルダーとの戦いが今後も続いていきそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン