芸能

追悼・山本圭さん 共演した羽田美智子が偲ぶ「自分に厳しく、人には甘く優しい人」

山本圭さん

2022年3月に亡くなった山本圭さん

 ドラマ『若者たち』(1966年)や『ひとつ屋根の下』(1993年、ともにフジテレビ系)などで存在感を示した俳優・山本圭さんは2022年3月31日、肺炎で亡くなった。山本さんは3兄弟の真ん中だが、兄の學(85才)も、弟の亘(79才)も俳優。娘と彼らが家族葬で見送ったという。

 昼ドラ『花嫁のれん』(2010〜2015年、東海テレビ)で山本さんと共演した女優の羽田美智子(54才)は、事務所を通じて山本さんの訃報を知ったという。

「あまりに突然のことで、言葉を失いました。これまで年に数回、共演した仲間たちとお会いする機会がありましたが、コロナ禍になってお会いできずにいるうちにこんなことになって……」(羽田・以下同)

 同作は野際陽子さん(享年81)演じる、金沢の老舗旅館の大女将と、その嫁の女将を羽田が演じて人気を得たドラマで、第4シリーズまで作られた。

 そのドラマで山本さんは、大女将の夫であり板長という役を演じた。

「このドラマで初めて共演させていただきましたが、本当に優しくて、役柄ににじみ出る優しさそのまま、知性と品性を感じさせるかたでした」

 昼ドラの撮影は朝から深夜まで続く過酷なものだったが、出演者の楽屋に集まって昼食をとるなど、とても仲のいいチームだったという。

「忙しいにもかかわらず、『今度の休み、みんなでうちに来て、お鍋やるか』と声をかけてくださって、圭さんの家に集まったこともありました。圭さんがスーパーに買い物に行くというのでご一緒させてもらったこともあり、ドラマの設定そのままの家族、嫁のようでした」

 皆既月食をみんなで見たり、羽田が主演のドラマ『おかしな刑事』(テレビ朝日系)のオンエアを一緒に見たこともあったという。

「ドラマの舞台化の話があったときは、圭さんと野際さん、私で三者会談をして、実現はしませんでしたが本音で語り合いました。

 圭さんは自分に厳しく、人には甘く優しい人。野際さんもそうでしたけど、間違えたときは『すみません』とスッと頭を下げられていました。あれだけの年齢になり、キャリアもあり、そこまで頭を下げなくても、と周囲が思うほどでした。体調を崩して少し横になりたいというときでも『申し訳ないです。すみません』とおっしゃって……。周りに迷惑をかけないように、徹底して仕事に取り組んでいました。

 撮影中に、圭さんに『ちょっといいか』と楽屋に呼ばれたことがありました。そこで、『実はうちの奥さんが今日手術をしていて、終わったら病院に行くんだけど、撮影遅くなるよなあ』とおっしゃるんです。それで『早く切りあげてもらうよう、私からスタッフにお願いしましょうか』と言うと、『女房が病気ということは言いたくないんだ。心の中に留めといてくれ』って。同時期に野際さんからも『病気のことは隠しといてね』と言われたのですが、お二人が本当の嫁のように信頼してくださっているのを感じました」

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン