「日本で一番明るい朝番組」を掲げる『ラヴィット』(TBS系)は、放送開始2年目にして待望のゴールデン特番を年末に迎える。批判が多かった放送開始当初から風向きが変わったきっかけには、通常数分程度の「オープニング」の長尺化や『水曜日のダウンタウン』とのコラボドッキリ、TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』とのコラボ同時生放送などの”攻めた”演出、企画が挙げられる。同番組プロデューサー・辻有一氏に、冒険的な演出や企画に踏み切っていった経緯を訊いた(一部敬称略)。
聞き手は、テレビっ子のライターで『タモリ学』などの著書があるてれびのスキマ氏。テレビ番組の制作者にインタビューを行なうシリーズの第2回──。【前後編の後編。前編から読む】
「笑っていいとも!」と重なる、待望の“年末ゴールデン特番”
昨今では「令和の『笑っていいとも!』」などと評されることも少なくない麒麟・川島明による朝の帯番組『ラヴィット!』。番組プロデューサーの辻有一は「滅相もない」と首を振り、「そう言っていただけるのはとてもありがたいんですけど、まだまだそんな番組でないので、そうなれるように頑張りたい」と語る。
かつての『いいとも!』は「年末特大号」と題して毎年年末にゴールデン特番が放送されていたが、『ラヴィット!』でも12月28日にレギュラーメンバーや常連ゲストの総勢50人でのゴールデン特番が放送される。まさに「年末特大号」だ。
その特番が発表されたのが、11月3日の放送だった。この日、北朝鮮のミサイル発射による臨時ニュースのため49分遅れで開始。結果、全編が「オープニング」という番組初の“珍事”が起こった記念すべき回となった。その終盤、「雨の日も風の日も暗いニュースがあった日も明るい朝を届けたくて走り続けた1年8ヶ月」というタイムリーなテロップから始まる番組開始から1年8ヶ月のハイライトが流れ、発表されたのだ。
そのVTRに添えられたBGMがTHE BLUE HEARTS の「1000のバイオリン」。
「昔からとにかくブルーハーツが好きで、『1000のバイオリン』の歌詞がものすごく『ラヴィット!』の道のりに重なる部分を勝手に感じてしまって(笑)、大事な発表の時は流そうって決めてました」
暗いニュースを消しゴムで消すように面白い事をたくさんし続け、朝のお笑い番組という道なき道を開拓してきた『ラヴィット!』にこれほどハマる曲はなかなかない。