大ヒットしたドラマ『silent』で耳の聞こえない女性を好演し、巷の話題をさらった女優の夏帆(31)。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏は、2022年に「出ずっぱり」だった人気俳優陣のなかでも、夏帆が特に目立ったという。その理由について、小林氏が分析する。
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2022年は本当によく女優の夏帆さんを見かけた。地上波ドラマに出ていたと思ったら、動画配信サービスのオリジナルドラマに、映画に。ひょっとしたら彼女は一卵性の三つ子なのか、それともクローンが何体か用意されているのか。そんなあり得ないことを考えてしまうほど、演じまくっていた。
配役からすると“バイプレイヤー”のポジションが多い夏帆さん。同じように、何本も作品を掛け持ち、忍法のごとくスタジオからスタジオをすり抜けて、演じて……と活躍する面々は多い。2022年は例えば俳優の藤原季節さんもよく見たし、野間口徹さんに至っては、おそらく多忙な生活を何年も続けている。NEWSポストセブンで取材をしたMEGUMI さん(ドラマで“美容ガチ勢”演じるMEGUMI「私生活も24時間、一生美容オタクです」ほか)も今年は全クールのドラマに出演し続けた。
そういった並いる働きバチたちのなかで、夏帆さんはなぜ特に目立ったのだろうか。
主演クラスの俳優よりもはるかに高い露出度
2022年、夏帆さんはまさに“出ずっぱり”だった。テレビドラマに限っても5本。Amazonプライム、Netflixなどの動画配信サービスオリジナルドラマに3本。映画、舞台を1本ずつと、休暇を取得できているのかと心配になるほどの働きぶりだ。
ドラマオタクの私が思い出しても、その役柄は多彩だ。『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ系列)では、社会に置いていかれてしまったのではと悩む主婦を。『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ 夜と酒と』(NHK総合ほか)では、ミステリアスな青い服の女を。さらに敏腕編集者を演じた『拾われた男 LOST MAN FOUND』(NHK総合ほか)と続き、『大川と小川の時短捜査』(テレビ東京系列)では刑事を。そして、今年終盤に大きな話題となった『silent』(フジテレビ系列)の桃野奈々役で本年を締め括っている。
もちろん収録によるタイムラグはあるだろう。それでもコロナ感染が猛威を振るうなか、この数年間を駆け抜けていることに感服してしまう。
彼女は主演クラスの俳優よりも、露出がはるかに多い。