まもなく2022年も終わり。大晦日の夜には、今も『NHK紅白歌合戦』を見るのが恒例、という人もいるだろう。31年前の1991年、NHKホールのステージで『WON’T BE LONG』を歌い上げたのが男性デュオのバブルガム・ブラザーズ。デュオの1人で、同曲の作詞作曲も手がけたブラザー・コーンさん。67歳になった現在もソロで音楽を続けるほか、身体を張った挑戦をするなど新しい動きを見せている。コーンさんが目指す先はどこなのか。まずはコーンさんに「大晦日の2日前に出演オファーが来た」という前代未聞の紅白裏話から聞いた。【全3回の第1回】
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随分、前の話ですけど、何から話しましょうか。まず、紅白に出場したのは36歳のとき。直前に出場辞退したHOUND DOGのピンチヒッターでした(※発表されていた歌唱曲「ff(フォルテッシモ)」の変更を要請もNHKが認めず、出場を辞退した)。所属レコード会社のソニーのプロデューサーから、「NHKから繰り上げ当選で打診があったんだけど、どうする?」と電話がかかってきたのは大晦日の2日前。
「出るに決まってんだろ!」と即答しましたよ。それまでライブとかでは「紅白なんて似合わねぇ、出るわけないじゃんyea!」なんて言っていたのに(笑)。当時の紅白には権威があって、「紅白に出たら営業のギャラが10倍になる」と聞いていたから、出ないなんて手はなかったんですよ。
でも、オファーの電話があったとき、オレらはニューヨークにいたんです。紅白出場の候補にはあがっていたんですけど、どうせ出られないだろうと思っていたから、年末にニューヨークでの仕事の予定を入れていました。12月25、26日頃に行って、そのままニューヨークで年越しをするつもりで。だから、出演が決まってから慌てて帰国。当然、衣装も用意していなかったので、スタイリストが一晩寝ないで作ってくれました。