昨シーズンはルーキーながらメジャー大会制覇を含む2勝を挙げ、見事「新人王」に輝いた川崎春花(19)。二十歳を迎える今年はさらなる高みへと向かう飛躍の年。そんな川崎が晴れ着姿で 人生初グラビアに挑戦した──。
「今日のスコアは10アンダーかな」
初のグラビア撮影を終えた川崎はそう白い歯を見せた。
「緊張というより恥ずかしかったけど、慣れてくると楽しかったです。着物も初めてだったし、初のハイヒールも歩きづらかったですが(笑)」
昨年9月に国内メジャー「日本女子プロゴルフ選手権」を最年少で優勝。翌月にはあっさり2勝目を挙げた。
「終わってみると賞金ランキングも10位以内に入れて、想像をはるかに超える1年でした」
ただプロテストには一発合格したものの、レギュラーツアーへの優先出場順位を決めるQTでは62位、下部ツアーからのスタートだった。推薦枠でレギュラーツアーにも出場したが、3週連続予選落ちとプロの洗礼を受けた。
「どん底でしたが、そこで自分のゴルフを見直すことができた。私のゴルフスタイルはアグレッシブに攻めることだと気が付いたんです。それが右ピンなのにグリーン真ん中を狙うような守りのゴルフになっていた。“結果はどうでもいいから、攻めるゴルフを貫こう“と原点に帰ったんです」
その結果、8月に下部ツアーで初優勝。その後の爆発に繋がっていった。
試合中はクールに見えるが、意外にも性格は「大雑把、適当、マイペース」だと言う。ひりつく試合の癒やしについては「飼っているチワワの“ゆず”と自宅のソファでボーッとしている時間が至福の時ですね」と19歳らしく答えた。
「両親はもちろん、スタッフ、友達、ゴルフ部の後輩たちに支えられたルーキーイヤーでした。一緒にプロテストに受かったプロとは同志として切磋琢磨していきたいですね」
女子ゴルフは若手の活躍が目覚ましいが、川崎らは「U20世代」と呼ばれる。下の世代にも有望株がひしめくが、それも力に変えたいと語る。
「1年間通してモチベーションを保ち続けるためにも、今年の目標は年間女王のメルセデスランキング1位です。応援よろしくお願いします!」
【プロフィール】
川崎春花(かわさき・はるか)/2003年生まれ、京都府出身。大阪学院大学高3年時の2021年に全国大会個人優勝、同年11月のプロテストに一発合格。2022年8月に下部ツアー「山陰ご縁むす美レディース」で初優勝。翌9月のメジャー「日本女子プロゴルフ選手権」では大会最年少でレギュラーツアー初優勝。10月には「マスターズGCレディース」で2勝目を飾った。獲得賞金9205万円(8位)、メルセデスランク15位。村田製作所所属。158cm、51kg。
撮影/藤岡雅樹 取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2023年1月13・20日号