人が生まれながらにして“分類”される血液型。そこに寿命とのかかわりが指摘されている。
2007年に発表された厚労省の補助金事業「健康長寿に関する要因の研究」のなかで、〈血液型と長寿との関連性について〉という報告があり、そこでは日本人で最も長生きする確率が高いのはB型とされた。慶應大の研究者らが東京在住の百寿者(平均年齢101.2プラスマイナス1.8歳)269人と、東京在住の対象群7153人を比較したところ、百寿者ではB型の割合が高かったのだという。
日本人の血液型は、多い順にA型4割、O型3割、B型2割、AB型1割とされる。それが、右の研究では、百寿者はA型34.2%、B型29.4%、O型28.3%、AB型8.2%という結果になった。百寿者はB型の割合が10ポイントも多い。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。
「百寿者にB型が多い理由としては、報告書が分析する通り、病気と血液型の関係が考えられます。A型は細菌感染、O型はウイルス感染しやすく、病気もがんや血栓性疾患はA型、自己免疫疾患や出血性疾患はO型に多い。一方、B型はそれらの病気になりにくく、長寿になった可能性があります」
血液型による寿命の違いをもたらすのは、「免疫」の違いだという。
「そもそもABO式の血液型は免疫反応を引き起こす抗原の種類で分類されています。免疫力は病気と密接な関係であることから、結果的に寿命と関連していることに不思議はありません」(同前)
一方、米国では日本と違った結果が出ている。1999年に米国で出版された『The Answer is in Your Bloodtype』によると、5000人の米国人を調査した結果、血液型別の平均寿命は、O型が86.7歳、B型が78.2歳、AB型が69.5歳、A型が61.6歳だった。
A型が最も短命という結果なのである。同書では、A型は肉類を消化しにくく脂肪として体内に蓄積するため、肉食中心の米国では短命になっていると考察している。
血液型は変えられないが、特性に応じた生活習慣を心がける価値はある。
※週刊ポスト2023年1月13・20日号