日本人はこれまで、さまざまなダイエットを試してきた。健康や長寿を意識したダイエット法が本流となり、コロナ禍で、自宅内で完結する効率性が重要視されるようになったいま、正月太り対策の食材や食事法について、みやま市工藤内科ダイエット外来・工藤孝文医師、イシハラクリニック・石原新菜副院長、保健師、ダイエット講師の松田リエ氏に聞いた。
緑茶コーヒーを2023年の定番飲料に
「やせたいけど運動や食事制限は億劫」なら、試したいのが緑茶コーヒーだ。内科医の工藤孝文氏は、生活習慣を変えず緑茶コーヒーを飲むだけで25kg減量を成功させた上で、肥満に悩む患者へも緑茶コーヒーを薦めてきた。
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」は食後の血糖値上昇を抑えるが、逆に「カフェイン」は一時的に血糖値を上昇させてしまう。緑茶には、糖質の吸収量を減少させるカテキンの「エピガロカテキンガレート」、カフェインの作用を緩和する「テアニン」が含まれている。つまり、二者をブレンドするとコーヒーのマイナス面が打ち消され、最強のダイエットドリンクとなるというのだ。
できる男はやっている16時間断食のすすめ
医師の石原新菜氏は、同じく医師である父・結實氏と断食施設「ヒポクラティック・サナトリウム」を運営する一方、家庭で誰でも取り組める断食法「16時間断食」を提唱する。16時間とは、胃腸を完全な空っぽの状態にし、古い細胞を生まれ変わらせる「オートファジー」機能のために必要な時間だ。何も食べないまま10時間ほど経つと、まず脂肪が分解されエネルギーへと変わる。16時間の経過で「オートファジー」が活性化し、今度は古い悪玉たんぱく質も分解されエネルギーとなる。
食事内容に制限のない16時間断食は、頻繁な会食が避けられない人にも向いている。たとえば夜8時に食事を好きなだけとっても、翌日の12時に昼食をとるまで、何も食べなければ成功だ。睡眠時間も16時間内にカウントされるので、朝食を抜くだけで計算が合う。飲み物は摂取していいので、小腹が空いたらしょうが紅茶や人参りんごジュースなどヘルシーな飲み物で空腹を紛らわせよう。
「空腹時間は脂肪を燃焼させるだけでなく、脳をはじめ胃腸以外の臓器へ血流を集中させることができます。オットセイのオスがメス何十頭もの相手をするときは何も食べないように、ひとつの物事に集中したいときも断食は効果的ですよ」