がん、腸内環境、生活習慣病などのリスクが、尿や血液を送るだけで確認できる「検査キット」が話題をとなっている。果たして、どのような手順で行い、どのようなことがわかるのか──。コラムニスト・辛酸なめ子さん(48才)が体験した。
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数ある検査の中、シリアスな検査を受ける勇気がなかったので、尿でできる栄養検査キット『VitaNote』を試させていただきました。
キットが届いたので、まず、スマホに専用アプリをインストール。採尿プラスチック管に朝の尿を入れて郵送。まさか封筒に尿が入っているとは……郵便局の人も気づかないことでしょう。
約1週間後、アプリに検査結果が届いたのでチェック。自分の栄養状態の通知表みたいなものなので、学校の通知表以上にドキドキします。開いたらすごくいびつなレーダーチャートが表示されました。一目見て、栄養状態のバランスが崩れまくっているとわかります。
スコアは100点満点で61。平均が75なので、これが予備校の成績だったらこのまま浪人しそうな位置です。検査によると特に足りないのはビタミンB1、パントテン酸、葉酸、たんぱく質、カルシウムなど。それぞれの栄養素をタップすると、栄養素の役割や、含まれている食材などの詳細が表示されます。学校の通知表より情報量が多いです。ここ数年肉をほとんど食べていなかったのが、たんぱく質不足という結果に?
パントテン酸は聞き慣れないマイナーな酸ですが、レバーなどに含まれるようです。不足すると「成長停止や副腎障害、手や足のしびれ、頭痛、疲労、不眠、食欲不振等が起こります」と、恐ろしいことが書かれていました。そういえば手足がしびれがちで疲労感が抜けません。
ビタミンB1不足に関しては「欠乏により神経炎、脳組織への障害等が生じます」とのこと。シリアスな検査を避けたのに、結局怖い診断結果が突き付けられました。
逆に足りていたのはナトリウム、ビタミンB2、モリブデンです。
ナトリウムは過剰ともいえる状態でした。ポテチやおかきが好きでよく食べていたからでしょうか?
モリブデンはスコアが100。「尿酸を産出してプリン体を分解する働き」があるそうで、気づかないところで尿酸を産出しまくっていたようです。名字を尿酸にすることを一瞬考えました。大豆製品に含まれるようで、肉の代わりにソイミートを食べていたからかもしれません。