昨年の大晦日は鬼ごっこをテーマにしたバラエティ『逃走中』(フジテレビ系)が話題を呼んだが、今回、フジテレビのバラエティ『新しいカギ』が題材にしたのはかくれんぼ。高校を舞台に、芸人らと生徒がかくれんぼを行うという。番組サイドの狙いについてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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14日(土)19時から放送される『新しいカギ』(フジテレビ系)で「100万円争奪!学校かくれんぼ」が放送されます。こちらは昨年11月12日に放送された大型企画の第2弾。前回は、さいたま市立大宮北高等学校の敷地約4万平方メートルを舞台に、「『新しいカギ』チーム6人VS全校生徒1000人」という対決図式で10分間にわたるかくれんぼが放送されました。
開始16秒でハナコ・菊田竜大さんが見つかってしまい、その後もチョコレートプラネット・松尾駿さん、ハナコ・岡部大さん、ハナコ・秋山寛貴さんが生徒に発見されたものの、霜降り明星の2人が逃げ切り成功。かくれんぼという遊びの面白さに加えて「見つけたら100万円」というギャンブル性もあり、歓喜の2人と悔しがる生徒たちの明暗が分かれる姿なども含め、ネット上が盛り上がっていました。
遊びをバラエティに昇華させた番組と言えば、その筆頭は同じフジテレビが手がける『逃走中』。こちらは鬼ごっこがテーマの番組ですが、大晦日に過去最長の6時間45分をかけた特番が放送されるなど、局の看板番組となっています。
なぜフジテレビは鬼ごっこに続いて、かくれんぼという遊びに目を付けたのか。それを掘り下げていくと、単に視聴率獲得だけでない制作背景が見えてきます。
コロナ禍を生きる学生たちを笑顔に
『新しいカギ』はコントをメインに据えた総合お笑いバラエティとして2021年にスタート。しかし、当初と比べるとコントの割合が徐々に減り、ゲーム企画が増えています。
これは視聴率、予算、構成のバランスなどいくつかの理由が考えられますが、間違いないのは起爆剤となりうる目玉のゲーム企画がほしいこと。もともと『新しいカギ』は、チョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコという若いメンバーを集めて若年層の視聴者を狙った番組だけに学生をフィーチャーする、かくれんぼ企画が採用されたのは自然な流れでしょう。
実際、前回放送の際は、かくれんぼを笑顔で楽しむだけでなく、若手芸人と対面したときに友達と手を取り合って大喜びするなど、学生たちの生き生きとした姿が見られました。このように学生たちの楽しげな姿が見られる番組はスポンサーの受けもよく、視聴者に対しても「若者ならフジテレビ」というイメージ付けにつながります。