昨年12月25日、東京・歌舞伎座で行われた『十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台』でのこと。海老蔵改め市川團十郎白猿(45)の襲名公演に意外な人物が出演していたと話題になった。フジテレビの元看板アナウンサー・阿部知代(59)だ。公演に居合わせた客がこう話す。
「襲名披露公演夜の部の『助六由縁江戸桜』では、新・團十郎(演じる主人公の助六が登場する。その出端で、贔屓や旦那衆が参加する『河東節』の出演者の中に、阿部知代さんの名前があったのです。
『河東節』は三味線の音色に歌を乗せる浄瑠璃で、いわば主人公登場のバックコーラスのようなもの。この演目の時だけは本職ではないアマチュアの方や、女性も歌舞伎座の舞台に立つことができます。『河東節』の出演は舞台となる遊郭『三浦屋』の御簾の奥となるので、表情や姿ははっきりとは見えませんでしたが、『あの阿部知代さんだよね』とロビーでは話題となっていました」
阿部といえば、2006年、後輩アナウンサーの結婚式に出演した際、胸元を大胆に露出させたドレス姿の写真が話題に。その後、同局の『笑っていいとも!』などバラエティ番組にも進出し、局を代表する女子アナとなっていた。その後2015年には報道局へと異動となり、現在は報道センターマルチメディアニュース制作部でデスクとキャスターを兼任している。
テレビで姿を見ることはほとんどなくなった彼女がなぜ、新・團十郎のバックを務めているのか。フジテレビ関係者が明かす。
「阿部さんは古典芸能に造詣が深く、歌舞伎だけではなく文楽や落語もかかさずチェックしています。『河東節』もその三味線方の人間国宝である山彦千子さんに師事しており、2017年には名取となっていました。先代の團十郎さんが助六をされたときにも、舞台に出演しています。
今回は9年半空位となっていた大名跡の復活というだけではなく、贔屓にしている中村七之助(39)さんが助六の相手役である揚巻を演じるということで、気合を入れて帯と履物も新調。阿部知代さんは11月から6回ほど歌舞伎座の檜舞台に立たれたんですよ」
これを機に表舞台へ復帰か。
※週刊ポスト2023年1月27日号