防衛予算確保のための増税が大批判を浴びると、今度は「少子化対策」のために増税が必要だと言う。どんな口実をつけてでも税を上げたい岸田政権を支える“増税派”議員たちの資産を覗いてみると、彼らの金銭感覚がよくわかる。
この岸田大増税を推進しているのが、麻生太郎・副総裁、茂木敏充・幹事長、林芳正・外相、加藤勝信・厚労相、宮沢洋一・自民党税制調査会長、甘利明・元経済財政相、森山裕・税調副会長ら首相を支える自民党増税派の7人衆だ。いずれも資産家の世襲議員や金持ち議員で、どんなに増税しても自分たちは生活に困らない顔触れが揃っている。
別掲の表は、国会議員の資産公開で報告されている7人の資産をまとめたものだが、資産公開の基準では、不動産価格は実勢価格よりはるかに低くなる「固定資産税課税標準額」で計算し、金融資産も現金と普通預金は非開示。保有株は銘柄と株数だけで評価額は算定しないという、資産を少なく見せかける仕組みがあるため、公表額は実際の資産を反映していない。
そこで彼らの本当の金満資産を公開したい。
20億円ほどの株を所有
自民党税調は税制改正をまとめる“増税派議員の総本山”で、副会長14人など幹事以上の役員が30人もいるが、実際の議論は会長をはじめ「インナー」と呼ばれる数人の非公式幹部たちだけで決められる。税調会長は党内で「影の財務大臣」と呼ばれるほどの力を持つ。宮沢氏の前任の税調会長は「消費税増税」論の口火を切った甘利氏で、現在も税調顧問を務めるインナーの1人。神奈川県議会議長や代議士を務めた父を持つ2世議員だ。
その資産を調べて興味深いことがわかった。甘利氏は政治資金問題で大臣辞任に追い込まれた翌2017年、秋篠宮邸や仙洞御所、迎賓館等がある赤坂御用地の隣接地に建つ超高級マンションの約88平米の部屋を取得していた。資産公開では件のマンションの土地・建物合計で1254万円となっているが、地元不動産業者は、「そのマンションの88平米の部屋なら相場は2億円をくだらない」と語る。
政界の名門出身者が多いインナーの中で異色なのが税調副会長の森山氏(自民党選対委員長)だ。
中学卒業後、働きながら定時制高校を卒業した苦労人で、鹿児島市議を7期務めて国政に出た叩き上げ政治家だが、苦労人の一方で現在は“株成金”の億万長者でもある。
「森山さんは地元では政治資金パーティーをしない政治家として有名です。市議時代に同郷のIT経営者・金丸恭文氏が鹿児島で創業した現フューチャーに出資した株が上場して大化け。たんまりお金があるからです」(地元の政界関係者)
森山氏は現在、同社の株116万4800株を保有(注:フューチャーは昨年12月31日を基準日として、基準日に保有していた株主に対し、普通株式1株を2株に分割)する個人3位の大株主(有価証券報告書)で、評価額はざっと20億円近い。
※週刊ポスト2023年1月27日号