警察官になりすまして高齢女性からキャッシュカードをだまし取ったとして、警視庁調布署は20日までに自称不動産会社役員、板倉史也容疑者(37)を窃盗容疑で逮捕した。板倉容疑者は地域政党「都民ファーストの会」所属の豊島区議、元谷百合奈 (ゆりな)氏(30)の夫でもある。
板倉容疑者は2022年12月、東京都調布市の80代女性宅に警察官になりすまして電話し、「あなたのキャッシュカードが詐欺被害に遭っている。救済法が適用される」などとうそをつき、女性からキャッシュカード2枚を詐取。同署は、盗んだカードを使って調布市内の現金自動受払機(ATM)から現金100万円を引き出していたとみて調べている。全国紙記者が語る。
「捜査関係者は、容疑者が特殊詐欺グループの受け子、出し子役として動いたとみて、今も取り調べを続けています。本人は仕事がうまくいかず、8000万円ほどの借金があるなかで、お金を借りている人から仕事を紹介されたと主張しているようです。
容疑者は元レスリング選手で、かなりしっかりした体格。都内の有名私立大学を卒業後、レスリングを続けながら、反社会的勢力への対策を行う会社に勤務していました」
実は板倉容疑者は大学時代、レスリングの全日本学生グレコローマン選手権66kg級で2006、2007年と2連覇を達成するほどの実力の持ち主だった。2007年に地元秋田で行われた国体には、秋田の代表として出場し準優勝の成績を収めている。
大学卒業後もレスリングを続けるために、1年間コーチとして大学に残ると、その後企業リスクの調査と対応支援を行う会社に就職。同社で選手として仕事とレスリングを両立してきた。企業危機管理コンサルティングや警備などを行うという同社のホームページには、「反社会的勢力排除宣言」や「半グレの跋扈をこれ以上許してはならない」といった文言が並んでいる。
板倉容疑者は2017年頃に不動産の売買などを行う会社を設立すると、代表取締役に就任している。江東区豊洲のタワーマンションを借りていることもわかった。