芸能

『ぽかぽか』好発進を引っ張るハライチ・岩井勇気、目指すはタモリか有吉か

2冊目となる著書には書き下ろし小説が収録されている(写真:小倉雄一郎)

MCとして注目の岩井勇気(撮影/小倉雄一郎)

 お昼のMCの新たな顔が誕生か――。フジテレビに新しい情報番組『ぽかぽか』が好調だ。牽引するのはMCを務めるハライチの岩井勇気(36才)だ。そのMCとしての可能性について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 9日にスタートした昼の生放送バラエティ『ぽかぽか』がひとまず順調なスタートを切りました。前番組『ポップUP!』がわずか9か月で改編期を待たずに終了したためか、放送前からネット上には酷評ばかり。しかし序盤の2週間は同時間帯の裏番組を寄せ付けないほどのツイートが飛び交い、ネットニュースも量産されているほか、その内容は好意的なものが多くを占めています。

 最大の要因としてさっそく話題となっているのが、MCを務めるハライチ・岩井勇気さん。初日に「フジテレビのお昼、視聴率ヤバい」「『(笑って)いいとも!』は澤部だけレギュラーにした」、2日目にゲストのマツコ・デラックスさんに「“進行を壊すワタシ”を見せに来てるっぽい」「ネジくらいなら踏んでも何も感じないっぽい」、新人の松崎涼佳アナに「タレント意識半分なんじゃないですか」という強烈な毒や自虐を放つなど、ネット上を沸かせています。

そもそも「腐り芸」や「毒舌」が持ち味の岩井さんは「昼の生放送帯番組は向かないだろう」と言われ、本人も「僕の視聴層はテレ東の深夜なんで(笑)。だから、昼のお客さんに喜んでもらえるような対応はたぶんできないと思う」と語っていました。

『ぽかぽか』は、相方の澤部佑さん、神田愛花さんの3人でMCを務めているにもかかわらず、なぜ岩井さんばかりが最大の注目を集めているのでしょうか。さらに、『ぽかぽか』の中心を担うことで今後、岩井さんは芸能界でどんな存在になっていくのでしょうか。

番組全体に横たわる岩井の毒と自虐

 ハライチと言えば、メディア露出が多いのは圧倒的に澤部さん。MCを務める『爆買い☆スター恩返し』(フジテレビ系)、『なりゆき街道旅』(フジテレビ系)、『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)のほか、『相葉マナブ』(テレビ朝日系)、『日曜日の初耳学!』(MBS・TBS系)、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送・テレビ朝日系)などに出演し、『ぽかぽか』が加わったことで来年の「タレント番組出演本数ランキング1位は間違いないだろう」と言われるほどの売れっ子です。

 神田さんも元NHKのアナウンサーらしく情報番組のコメンテーターを務めているほか、バラエティでも大活躍。特に昨年6月の『まっちゃんねる』(フジテレビ系)「IPPON女子グランプリ」で見せた大喜利の好評を受けて、『ぽかぽか』は進行役ではなく“プレーヤー”の立場で出演しています。

 そんな2人がいるにもかかわらず、ここまで『ぽかぽか』の番組カラーは岩井さん一色。日替わりゲストを「○○っぽい」という勝手なイメージでイジる「ぽいぽいトーク」をメインコーナーにしたことを筆頭に、「この人が似ている有名人 みんなで見つけてあげよう会」「野呂&菊地の飲みながランチ主婦会!」などの毒や自虐を誘うような企画が目立ちます。

 そんな岩井さんの芸風を思わせる毒や自虐は放送中のテロップにも目白押し。番組冒頭に「今日も役に立たない情報満載」、視聴者募集の際に「クレームや温かいご意見は #ぽかぽか」、13日の放送では不吉な「13日の金曜日」、若手芸人が超ショートネタを披露する「芸人青田買い!火曜笑市」で「面白いかは別としてとにかく新鮮です」などの表示が見られました。

神田愛花(撮影/ロケットパンチ)

神田愛花(撮影/ロケットパンチ)

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