「福本豊チャンネル」(YouTubeより)

「福本豊チャンネル」(YouTubeより)

収益は月2万~3万円

 レジェンドも苦戦を強いられている。

 阪急ブレーブスの中心選手として20年にわたって活躍し、一時は盗塁の世界記録を樹立した「世界の盗塁王」こと福本豊氏(75)は、2020年に「福本豊チャンネル」を開設した。古き良き1970~1980年代パ・リーグの話が中心だ。福本氏が語る。

「僕が野球解説するサンテレビを退職した社員に誘われ、『出るだけならいつでも出るよ』と始めました。彼がテーマを決めて段取りをつけ、僕は現場に行って昔のチームメイトと対談したり、昔のプレーを解説したりするだけです」

 最近では、首位打者2回、打点王3回を記録したもう一人の阪急のレジェンド・加藤秀司氏(74)との対談を連続投稿した。現役時代、大阪球場で福本氏が盗塁を狙うと南海応援団から「じっとしとけ、アブラムシ~」とヤジられ、加藤氏が打席に入ると同じく「打てば三振、守ればエラー、歩く姿はボケの花。アホ、アホ、アホの加藤」とヤジられた思い出などを語り合い、関西弁丸出しの爆笑トークで往年のファンの心を大いにくすぐる内容だ。

 それでも福本氏のチャンネル登録者数は1万400人にとどまる。

「中身は面白いと言われるけど、動画を作るスタッフは『チャンネル登録者数はなかなか増えない』とボヤいている。数が増えて再生回数が伸びれば収益になることは知ってるけど、僕は一銭ももらってないよ」(同前)

 YouTubeはチャンネル登録者数1000人、動画投稿200本などの条件をクリアすると収益化が見えてくる。要は登録者数と再生回数が増えるほど儲かる仕組みだが、福本氏の場合は月2万~3万円の収益だという。再生回数が伸び悩んでも、世界の盗塁王はアッケラカンと笑う。

「僕の人気がないのか、やっていることが世間に行き渡ってないのか、わからんですわ。若者ウケを狙えばいいんでしょうが、僕はまったく考えていない。昔の仲間と昔話をするのは楽しいですから、それでいいと思っています」(同前)

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