「朝食は金、昼食は銀、夕食は銅」とは、朝食の大切さを説くヨーロッパの諺だ。それほど重要な朝食だけに、そのメニューを工夫すれば、さまざまな生活習慣病の予防・改善が期待できる。栄養、食生活管理のプロフェッショナルに、病気の予防や改善につながる「最強の朝食」メニューを聞いた。
日本人の国民病と言われて久しい「高血圧」の予防・改善に役立つ朝食として、管理栄養士の岡田明子氏が勧めるのは野菜卵サンドイッチだ。岡田氏が語る。
「高血圧の要因には、塩分過多や野菜不足など偏った食生活が挙げられます。その点を補う朝食として、野菜卵サンドをお勧めします。野菜に含まれるカリウムは体内の塩分を排出しやすくする働きがあり、起きたばかりの体の代謝をサポートするビタミン・ミネラルも豊富。毎食欠かせないタンパク質も、卵で摂取できます。糖質は脳の目覚めに欠かせませんが、食べ過ぎは血糖値の急上昇につながるので、食パンなら6枚切り1枚分に抑えるのもポイントです」
最近、巷で人気の「朝ラーメン」も、食べ方次第で高血圧対策の朝食メニューに取り入れることが可能だ。
「塩分対策として有効な野菜は、1日で両手いっぱい分の量を摂るのが理想ですが、生のままでは難しい。汁物に入れることで大量に摂取することができます。とはいえ朝ラーメンが高血圧に良いわけではなく、積極的に推奨するものではありません。ただ、朝にどうしても食べたくなってしまったら、野菜をたっぷり入れて煮込んだ野菜ラーメンがいいでしょう。ただし、塩分の多いスープは飲まずに残すべき。それだけで2~3g程度の減塩になります」(同前)
一方、管理栄養士の望月理恵子氏が高血圧対策の朝食メニューとして挙げるのは、アボカド・目玉焼き載せトーストだ。
「アボカドには塩分の排出を促すカリウムのほか、血圧低下作用があると言われるマグネシウムが豊富に含まれます。食パンにスライスしたアボカド、タンパク源として目玉焼きを載せるとよいでしょう。味付けを濃くすると塩分が増えてしまうので、レモン果汁を搾ったり、塩分の少ないクリームチーズやモッツァレラチーズなどを載せて焼くと、美味しく食べられます」
※週刊ポスト2023年2月3日号