3年連続V逸は許されない。巨人の阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチが1月20日に都内のホテルで行なわれたスタッフ会議に出席した際、「監督が船長だとしたら、俺がかじ取りの役だと思う」「指導者として監督を男にしたいと、みんなの前では言わせていただきました」と報道陣の前で決意表明を語った。「原監督の後継者」宣言とも受け取れる言葉に球界からは驚きの声が広がっている。
原辰徳監督は今季、球団歴代最長の在任期間を更新する通算17年目の指揮を執る。リーグ優勝に9度、日本一に3度輝いた輝かしい実績があるが、巨人ファンからの逆風はかつてないほど強まっている。3次政権で就任した2019年からリーグ連覇を飾ったが、2021年は借金1で3位に終わると、昨季も借金4と2年連続負け越し。4位という5年ぶりのBクラスに低迷した。グラウンド外では、主力の坂本勇人の女性問題が週刊誌で報じられ、批判の声が殺到したほか、2022年オフに楽天から現役ドラフトで移籍してきたオコエ瑠偉が暴力団の宴席に参加していたことが報道されるなど、暗いニュースが多い。スポーツ紙デスクがこう語る。
「原監督は今季が3年契約の2年目だが、3年連続で低迷するようだと責任を取って身を引く可能性が高いとみられている。そうなると次期監督に関心が集まりますが、最有力候補と目されるのが阿部ヘッドです。選手に厳しい姿勢を示すタイプだが、今の成績なら致し方ないでしょう。2軍監督を務めているし、チーム事情に精通している。今年からヘッドとなり、原監督からも後継者として帝王学を叩きこまれるでしょう」
豊富な資金力でFA補強や他球団の外国人を獲得し、チームを立て直したのは過去の話だ。2022年オフはFA市場に参入せず、新外国人を除いて獲得した実績のある選手はソフトバンクの戦力構想から外れた松田宣浩、広島から無償トレードで復帰した長野久義のみ。共にピークを越えた選手でレギュラー候補とは言えない。ドラフト1位で獲得した高校生ナンバーワン野手の浅野翔吾もじっくり育てる方針だ。チーム構成が劇的に変わるわけではない。