放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、周囲の人々が出版した本についてつづる。
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先週号(週刊ポスト2023年1月27日号)で「立川流三人の会」(志の輔、談春、志らく)を3月29日(水)に明治座で昼夜、私の企画で開催するとスクープしたら大反響で前売り争奪戦。まだ取れる機会もあるのでチェックしてみて下さい。
その間に私の所へ届いていた本の山。私から半径50mぐらいの所にいる連中が次々と出版し嬉しい限り。
『進化する全身落語家』(立川志らく・竹書房)。これは近年語られた落語のまくら集で忘れかけてたその時代を想い出すから楽しい。こうして記録しておかなければ私なぞ自分がとった行動、言った言葉など忘れている。
この本の記録によると2015年7月13日、国立演芸場。ゲストが私と倍賞千恵子さんで『男はつらいよ』を語る日だった。志らくと私が喋って志らくがブルースハープ(ハーモニカ)で『男はつらいよ』を吹いて、それに乗って倍賞さん登場の段取り。私が「ちゃんと『男はつらいよ』を吹けよ。アントニオ猪木のテーマ(ボンバイエ)を吹いたら別の人が出てきちゃうよ」というやりとりがあって爆笑。そこへひょっこりと倍賞千恵子さんが出てきて第一声「どうも 倍賞美津子です」(バカうけ)その後トークもはずみ私のリクエストもあって『さくらのバラード』(名曲)を倍賞さんが歌ったら私が舞台の端でポロポロ泣き出した……という記述がある。忘れた。
ラジオでは私の相方でもある松村邦洋が『今度は「どうする家康」を語る』(プレジデント社)。『鎌倉殿の13人』の時も出版して少し当たったのでその第2弾。松本潤の人気にあやかろうって寸法だ。松村といえば最早タイガとタイガースの仕事はお任せといった大河マニア。私は中でも親しいイッセー尾形の爺ィ役が気になる。
“時事芸人”とも言えるプチ鹿島の手に汗握る爆笑『ヤラセと情熱―水曜スペシャル「川口浩探検隊の真実」』(双葉社)があの時代のドキドキを想い出させて秀逸。我が悪友、故・景山民夫もこの番組にかかわっていてよくウラ話をきかされてたので、今になって336ページの力作が世に出て元テレビ屋として嬉しく思う(アッ、そうそう。大先輩の小林信彦氏より年賀状。そこに“『週刊ポスト』だけは読んでます”とあった)。
ニッポン放送で『ナインティナインのオールナイトニッポン』などの構成を長い事やっている放送作家の小西マサテルがなんと「このミステリーがすごい!」大賞をとった。快挙。受賞作は『名探偵のままでいて』(宝島社)。エンタメに精通しているナイナイ岡村が最初に生の原稿を読み「これはいける! ほんま」と太鼓判を押したとか。本当か。
※週刊ポスト2023年2月3日号