公安調査庁といえば、日本の治安を脅かす団体や組織を監視するために情報収集を行ない、国家の安全を守る重要なインテリジェンス機関である。その公調から、衝撃的な内容のメールが流出して、内部で大騒ぎとなっている。
「安倍(晋三)元総理射殺の真犯人は山上(徹也・被告)ではない。別のスナイパーがいて、それを証明する動画などもあるが、マスコミから無視されている」
ネットで出回っている“陰謀論”の一つではあるが、テロ組織を監視する公調からこんな情報が出回り、仮に調査などが行なわれているとすれば事情は違ってくる。何が起きているのか。公調関係者が語る。
「送り主は本庁の経済安全保障特別調査室のベテラン調査官のA氏です。複数の職員に対して、そうした文面をメールやSNSなどで送っている。一斉メールではなく、内容はほぼ同じでも、相手によって微妙に言い回しを変えている。万が一、流出した場合に誰から漏洩したか特定できるようにしたのでしょう。そこまで周到なのだから、本人は重要な情報と考えているのだろうが、内容が内容なので受け取った職員たちはどう対処したらいいのか……」
岸田政権は海外などからのサイバー攻撃への備えや先端技術の流出防止を目的とする経済安全保障に力を入れ、経済安保特命相ポストを新設、内閣官房に「経済安全保障推進会議」、内閣府には「経済安全保障推進室」を設置した。
公調の経済安全保障特別調査室はその情報収集を担う部署で昨年4月に発足したばかりだ。
その“花形部署”のベテラン調査官が“掴んだ”情報ということらしい。であれば、公調は組織として安倍元首相銃撃事件の“真犯人”を調査しているのだろうか。
「それはありません。Aさんは少し変わった人で、職員や関係先によく真偽不明の情報のメールなどを送ってくる。実績のあるベテラン職員だけに、上層部も困惑しているようです」(別の公調関係者)