誘惑に負け、甘いものにはつい手が伸びてしまうも。ところが、女優の中谷美紀(47才)は12年も砂糖を摂取しておらず、その結果、心身ともに好転したという。思い切って「砂糖断ち生活」にチャレンジすれば、人生が上向きになるかも……。
《2010年に医師の方にお勧めされてから、お砂糖を摂取していません。それ以来、大人のにきびがなくなりました。気分の浮き沈みもなくなりました。以前は、引退を考えるほど常に不調で疲れやすい体質だったのですが、お砂糖をやめて、必要な栄養素を摂るようになってからは、メンタルも体もバランスを崩すことがなくなりました》(『ORICON NEWS』1月25日配信)──こう明かしたのは、女優の中谷美紀である。12年も砂糖を摂取していないというのは驚きだが、「砂糖抜き」は心身の健康の鍵となるという。
国立健康・栄養研究所が2019年に行った調査によると、私たちは知らず知らずの間に、砂糖を1日平均6.3g、つまり、小さじ1(5g)よりも多い量を摂取しているという。また、女性の場合、40代が平均以下の6gに対して、50代は6.3g、60代は6.6g、70代は7.1gと年齢を重ねるごとに摂取量が増えていく傾向にある。
そもそも砂糖は、サトウキビやテンサイを加工したもので、自然界には存在しない食品だ。砂糖の栄養素について、健康検定協会栄養士の神原李奈さんが解説する。
「加工の段階で、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養がほぼ排除されてしまいます。砂糖をエネルギーとして利用するには、体内のビタミンやミネラルなどほかの栄養素を使う必要があります。そのため、砂糖を摂りすぎるとそれらのバランスが崩れ、消費により不足した栄養素の欠乏症や肥満、免疫力低下などのリスクがあります」
厄介なのが「糖化」という現象だ。神原さんが続ける。
「糖化とは、体の中のたんぱく質が、過剰に摂取した糖と結びつくことをいいます。糖化が起こると、体内のたんぱく質が焦げついたような状態になってしまう。すると、細胞が老化し、さまざまな健康トラブルを引き起こすのです。例えば、髪。頭皮の細胞が健康だときれいな髪が生えてきますが、糖化により充分な栄養素や色素が届けられなくなると、白髪が増えたり、髪質が悪くなったりします」
2015年には、大分大学、久留米大学、株式会社サラヴィオ化粧品が、共同研究で、終末糖化産物(AGE)が薄毛・脱毛の原因物質の1つであると発表している。
「糖化は、肌にも影響します。肌の細胞が老化してしまうと、くすみやしわ、たるみの原因になります」(神原さん)