昨今、保護犬・保護猫への注目度が高まっている。保護団体や保護活動をしている著名人らの尽力もあり、「譲渡会」などを利用し、保護団体から引き取る人も増えている。そこで、保護活動をしている女優・田中美奈子に活動のきっかけや保護犬・猫と暮らしについて聞いた。
家族のアレルギーで活動が制限されて…
「テレビ番組の撮影でイギリスへトリマーの資格を取りに行ったとき、保護施設の犬をトリミングできれいにして譲渡につなげる活動をボランティアでやっている人たちと出会い、“自分もぜひやりたい”と思ったのが保護活動を始めたきっかけです」
とは、32才で動物愛護団体を設立した田中美奈子だ(「」内、以下同)。
しかし、当時の日本では動物愛護の精神が広まっておらず、周りからもやめた方がいいと言われた。それでも諦めきれず、まずは目の前の1匹から救おうと決めた。
その後、順調に保護活動を続ける中、結婚して子供にも恵まれた。しかし、意外な事実が判明し、保護活動が継続できなくなる。
「夫と子供が猫アレルギーで、しばらく保護活動ができなくなりました。でも調べてみると、短毛の猫だとアレルギーが出やすいけれど、長毛の猫なら大丈夫ということがわかったんです。それで、心臓肥大の長毛猫・クレア(メス1才)を迎えました」
いまは家族のアレルギーとも相談しながら、チンチラのアドリア(オス5か月)、けがをしていた野良猫のポン太(オス18才)、ペットショップで売れ残っていたミックス犬のミルク(オス5才)を引き取り、暮らしている。
「トークショーの出演やフードの寄付など、いまでもできることはあります。子供が大きくなったらシェルター建設も進めていく予定です」
家族の問題やライフスタイルの変化で、活動内容は変わるかもしれない。それでもいまの自分にやれることを探すことが大切なのだ。
【プロフィール】
田中美奈子/女優。1967年、千葉県生まれ。1989年『涙の太陽』で歌手デビュー。1999年に動物愛護団体elf(現・Ever Lasting Friends)を設立。日本RV協会公式キャンピングカーアンバサダーとしても活躍。
取材・文・撮影/北武司
※女性セブン2023年2月23日号