国内

岸田首相に衝撃 菅前首相が“ポスト岸田候補”に河野太郎氏、萩生田光一氏を挙げた意味

将来の首相候補として名前を挙げられた河野太郎・消費者相(右)と萩生田光一・自民党政調会長(時事通信フォト)

将来の首相候補として名前を挙げられた河野太郎・消費者相(右)と萩生田光一・自民党政調会長(時事通信フォト)

 側近の不祥事や増税方針に対する党内からの反発など、“身内”からの思わぬ攻撃によって窮地に立たされている岸田政権。そこに追い打ちをかけるのは、そんな政権を内側から瓦解させようとするさらに強い力だった──。

 岸田文雄・首相は不祥事や失政が露見すると、場当たり的な対応で失敗を取り繕おうとして混乱に拍車をかける悪いクセがある。

 安倍晋三・元首相の銃撃事件で旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題に批判が強まると、形ばかりの「被害者救済法」を成立させただけだ。今回の同性婚をめぐる首相秘書官発言でも、慌ててLGBT理解増進法案を国会提出するように自民党に指示した。

 予算の大盤振る舞いも大好きだ。防衛費を倍増、子育て予算の倍増、ODA(政府開発援助)も倍増を言い出し、財源に困ると「国民に一定の負担をお願いせざるを得ない」と増税を押しつける。喜ぶのは、防衛、厚労、外務など予算が増える役所の官僚たちと、増税できる財務官僚だ。

 こんな岸田首相のやり方に「自民党の権力構造が壊れる」と危機感を募らせているのが菅義偉・前首相だ。岸田政権のやっていることは、政策は官僚にまかせ、自民党の派閥政治を復活させ、財界に迎合する。安倍──菅政権が築いた「政治主導」を否定し、官僚主導という旧来の自民党政治に逆戻りさせるものだ。

 菅氏は年初から積極的な岸田批判を繰り出した。「総裁は在任中は派閥を離脱する」という自民党の慣例を破って岸田首相が岸田派会長にとどまっていることを「派閥政治」と批判し、防衛増税は「議論がなさ過ぎた」、少子化対策の財源に消費税増税論が浮上すると、「消費税の議論はあり得ない」と牽制した。しかし、岸田首相は増税も改めなければ、派閥会長も辞めようとはしない。

 そこでさる2月3日、痛烈な一撃を浴びせた。インターネットの番組で、将来の首相候補として河野太郎・消費者相と萩生田光一・自民党政調会長の名前を挙げたのだ。

 河野氏は前回総裁選で2位につけ、萩生田氏は自民党最大派閥・安倍派の有力な後継者候補の1人で、「会長席をいつまでも空席にしておくわけにはいかない」と安倍氏の一周忌(今年7月)までに会長を決めるべきだと発言し、自身の会長就任にも意欲を見せた。2人とも大臣、自民党三役として岸田政権を支える立場の人物だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン