10代女性に性的暴行を加えようとした容疑で逮捕された74才の男は、17年前、一夫多妻男として世間に衝撃を与えた。そして現在も一夫多妻生活を続けていた。妻たちはなぜ男のもとを離れられないのか──。
「新東京百景」のひとつ、東京・多摩湖からほど近い住宅街の一角に、白い三角屋根の一戸建てがある。自宅に続く私道の入り口には、住人の手によってロープが張られ、よそ者を寄せつけないために「立入禁止」と書かれた札がくくりつけてある。
この家の主は、2月7日に準強制性交等未遂容疑で逮捕された渋谷博仁容疑者(74才)。深夜には、複数の女性が呪文を唱える声が周囲に漏れる。この屋敷の奇妙さは地元ではよく知られており、近隣の住民たちはもう何年も“見てみないフリ”をしてきた。
「立入禁止」の札があるにもかかわらず、2月中旬の週末、宅配便の配達員が慣れた様子でロープをまたいで玄関まで歩いていった。インターホンを押すと、家の中から女性が出てきて対応した。しばらくすると、また別の女性が家から出かけ、そしてまた別の女性が帰ってくる。入れ替わり立ち替わり、多くの女性たちが出入りする──ここは男性1人、女性9人が暮らす「一夫多妻」の家なのだ。
警視庁は博仁容疑者と、その元妻・渋谷千秋容疑者(43才)を前述の容疑で逮捕。
「昨年12月、千秋容疑者は同じ飲食店で働く10代女性に“いい占い師がいる”と話を持ちかけて、自宅に連れ込みました。自称“占い師”の博仁容疑者は、その女性にUFOの映像を6時間にわたり見せたうえで、“あなたは近々死ぬ。宇宙人に連れ去られて、皮をはがされて食べられる。死を回避するためには、私と性交するしかない”と性的暴行を加えようとした疑いがもたれています」(全国紙社会部記者)
博仁容疑者は被害女性に対し、「この話を他人や警察に言ったら助からない」などと口止めしたうえで、「3日後にまたおいで」と誘っていた。しかし、彼女が家族に相談したことで事件が発覚。警視庁にはほかにも1件、博仁容疑者による同様の被害相談が寄せられており、余罪についても慎重に調べているという。
博仁容疑者は逮捕時、同じ渋谷姓を名乗る40〜70代の女性9人と、彼女らとの間に生まれた3人の子供と同居する一夫多妻生活を送っていた。