『暗殺教室』『おそ松さん』(一松)などの人気作に出演し、アニメを中心に絶大な人気を誇る福山潤(44才)。声優としてのキャリアは今年で27年目とベテランの領域だが、「まだまだ」と謙遜する。
「自分に必要なものと足りないもの、磨かなければいけないもの、そして、あえてそれをしないもの。そんな“足し引き”ができるようになったのは、デビューから10年くらい経ってから。自分の考えが固まってからは、17年しかキャリアがないとも言えるんです。
デビュー当時は少年役が中心でした。その頃できたことはそのまま持っておいて、年を重ねたことによる経験や、肉体的、精神的な変化を演技にも盛り込めたら、もっと役の幅が広がっていくのかな、と思います。いつか少年期から老年期まで、一人の人生を演じ切ってみたいです」
2018年には、同じく声優の立花慎之介と共同代表による新事務所を設立。それにより、仕事に対するモチベーションが変わったという。
「事務所に所属していた頃は、身軽でいられた部分もあります。だけど、事務所の代表となったいまでは、現場での所作も含めて気が抜けない。後輩たちの模範でありたいとも思うようになりました」
少年役から始まった福山。後進を育てながら、さらなる高みを目指す。
──転換期になった作品を教えてください。
「初主演のアニメ『無敵王トライゼノン』(神威章)では、先輩がたの背中を見て勉強させていただき、『超重神グラヴィオン』(天空侍斗牙)や『XXXHOLiC』(四月一日君尋)などで、スタッフ・出演者一丸となって作品をつくり上げる楽しみを知りました。『暗殺教室』(殺せんせー)や『コードギアス』(ルルーシュ)も、仕事や生き方の大きな転機になりました」
──お正月はどう過ごしましたか?
「ほぼ、掃除と模様替えで終わりました(苦笑)。テレビの横にハンガーラックがあったり、仕事部屋にもしている防音ルームの使い勝手が悪かったりして、ずっと効率的な配置にしたかったんです。後は、いかにこの状態を維持できるかですね」
──趣味のトレーニングは続けていますか?
「以前は断続的にハードなトレーニングをしていましたが、最近は体力づくりとして、週1回のジム通いと、毎朝ストレッチとプランクをしています。健康維持のためなので、腹筋は割れていませんよ!(笑い)」
【プロフィール】
福山潤/1978年11月26日生まれ。大阪府出身。1997年『月刊Asuka』のラジオCMナレーションでデビュー。2018年に声優事務所BLACK SHIPを設立、代表取締役CEOに就任。主な出演作は『吸血鬼すぐ死ぬ』(ドラルク)など多数。
撮影/岡本俊 取材・文/小山内麗香
※女性セブン2023年3月2・9日号