北朝鮮当局が、金正恩朝鮮労働党総書記の娘とされる「ジュエ(朱愛)」という名前を持つ国民に対して、名前を変えるよう強要していることが明らかになった。
金氏の娘の名前は正式に公表されていないが、これまで金家の日成(主席)や正日(総書記)、それと正恩氏の3人と同じ名前の国民は改名を強要されており、ジュエ氏も今後、名前が公表され、最高指導者の娘として頻繁に姿を現わすことが予想される。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。
北朝鮮の朝鮮切手社はこのほど、ジュエ氏の写真が使われた新しい切手の図案8種類を公開し、今後、発行されると発表した。図案は昨年11月18日に北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17型」が発射された際に撮影したもの。
8種類のうち5種類の切手はジュエ氏が正恩氏とミサイルを背景に手を握って並んで歩いたり腕組みをしてポーズを取ったりしているショットを使っており、他の3種類は軍兵士と一緒に記念撮影した際の写真が使われている。
ジュエ氏はこのところ、金氏とともに北朝鮮人民軍の最高幹部と一緒の写真が公開されるなど、「高貴な子」「尊敬される子」「最愛の娘」と呼ばれている。今回の国民への改名の強要は、近く正式にジュエ氏の生い立ちなどが紹介される布石だとみられる。
これについてある市民はRFAに「『ジュエ』という名前が『最高尊厳(金正恩氏のこと)』の娘の名前だと知っていたら、だれが自分の娘にそれと名付けるだろうか」と語ったという。