スポーツ

「超人気薄の武豊」は狙い目か 先週16番人気で初の馬券圏内も単勝万馬券はまだない

武豊騎手

武豊騎手

 ジョッキーが馬券の重要なファクターであることは論をまたない。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 先週2月18日(土)の阪神8レース(3歳1勝クラス)は、1番人気馬が最下位に沈み、このクラスで実績のあった2~4番人気馬も伸びず、三連複でも34万円、三連単は261万円という波乱となった。立役者は道中2番手につけ、直線で交わされそうになりながらも盛り返して3着に粘ったティルドーンで単勝127.8倍という最低人気だった。

 この鞍上が武豊騎手だったことが話題になっている。この時点まで通算4405勝、騎乗回数2万3944回というレジェンドにして複勝は過去最高配当の2780円、16番人気で馬券に絡んだのもこれが初めてだった。ティルドーンがらみのワイドも3万2160円と2万2320円。武豊から買ってこれだけの配当になるのだから、競馬は分からない。

 名手は「ゲートを出たので先行したけど、ラストまで渋太く頑張ってくれた」(「競馬ブック」より)とサラリとコメントを出している。たとえ近走不振で頭打ちと思われるような馬に騎乗しても、「武豊が乗るのなら」、あるいは「武豊ならなんとかするのではないか」という期待感でオッズが動くため、これだけに人気薄に騎乗することも珍しい。

 武騎手が単勝100倍超の人気薄に騎乗したケースを調べてみた。実は昨年は4回、今年になってすでに2回もあるが、馬券圏内にまで持ってきたのは2014年3月1日阪神1レースの未勝利戦、15番人気151.5倍のエアジャモーサの2着以来実に9年ぶりのこと。この時の複勝は2350円、勝ち馬は2番人気だったが馬連は4万0010円、3着馬が3番人気だったが、それでも三連単は40万超となった。

 実はこのデータを調べることで武豊騎手の凄さを再確認した。この9年間、武騎手は上記を含めて単勝100倍以上の馬に26回騎乗しているのだが、うち19回は着順が人気順を上回っている。それだけならともかく、一桁着順も多く11回は賞金をゲットしているのだ。その中には安田記念で14番人気6着のカデナや、エリザベス女王杯13番人気8着のアルメリアブルームも含まれている。人気薄に騎乗しても、なんとか前に持ってこようとするところが武豊の武豊たる所以なのだろう。

 ちなみに勝ち馬で最も人気薄だったのは2015年6月27日阪神11レースを12番人気で勝ったプランスペスカで単勝は4210円で、いまだに単勝万馬券というのはない。調教師としては依頼しにくいだろうがぜひ見てみたい。どんなコメントを出してくれるのかも楽しみだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンを食べようとしたらウジ虫が…》「来来亭」の異物混入騒動、専門家は“ニクバエ”と推察「チャーシューなどの動物性食材に惹かれやすい」
NEWSポストセブン
「ONK座談会」2002年開催時(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 長嶋一茂のヤクルト入りにカネやんが切り込む「なんで巨人は指名しなかったのよ。王、理由をいえ!」
週刊ポスト
タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン