侍ジャパンの宮崎強化合宿でリーダーシップを発揮しているのが、唯一メジャー組で参加しているダルビッシュ有(36)だ。アップ中から若手投手と積極的に話し、ブルペンではロッテの佐々木朗希やオリックスの山本由伸の投球練習をネット裏から見つめ、助言を送る。スライダーの投げ方など自身の投球技術を惜しげもなく伝授している。緊張でチームに溶け込めていなかったオリックスの宇田川優希にも手を差し伸べ、投手陣の食事会を「宇田川会」と呼ぶなど輪の中心に引き入れた。
若い選手に対して上から目線にならないよう言葉を選んで話していることについて、ダルビッシュは練習後の取材で「妻に人間として見てもらっているので、そういうところで習っていたというところだと思う」と答えた。それだけ彼にとってファミリーは特別な存在なのだ。
それを示す出来事が、ダルビッシュが宮崎入りする前に起きていた。本誌・週刊ポストはアメリカから帰国したダルビッシュが、宮崎入りする直前、妻・聖子の兄で総合格闘家・山本KID徳郁が都内に開いたジム「YAMAMOTO SPORTS ACADEMY(YSA)」に寄っていたことを報じた。
そこでダルビッシュはトレーニングをしつつ、妻・聖子の姉でレスリング世界選手権を史上最年少で優勝した元女子レスラー・山本美憂やその息子・山本アーセンと楽しそうに話をしていたという。
YSAは2008年に開設したが、KIDが2018年に胃がんで41歳という若さでこの世を去ったため、その後美憂とその息子・アーセンが運営を引き継いでいる。
同ジムは昨年11月にトレーニング施設の他にリング、金網、マットスペース、サウナ、カフェもある24時間ジムとしてリニューアルオープンしている。オープニングセレモニーにはダルビッシュと聖子の連名で花も贈られていた。
今回、美憂に話を聞くことができた。ダルビッシュがジムに寄った当日の様子について、こう語る。