去年7月の初当選以降、ドバイに滞在し続け、一度も国会に出席していないNHK党のガーシー議員に対し、参議院は2月22日、「議場での陳謝」とする懲罰を可決した。国会議員への懲罰処分には4種類あるが「議場での陳謝」は3番目に重い処分だ。処分に応じなかった場合、「除名」などさらに重い処分が予想されている。立花孝志党首もFNNの取材で「帰ってくる見込みは、現時点で五分五分」と述べ、先行き不透明な状況だ。
欠席を続ける理由について、ガーシー議員は「日本に帰ってくると、不当な罪を着せられる恐れがある」などと主張している。実際、警察は複数の著名人を中傷、脅迫したなどとして、暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉毀損、威力業務妨害などの疑いでガーシー氏の関係先に家宅捜索を行なっている。
いずれにせよ、国会議員が国会欠席を理由に懲罰委員会に付されるという憲政史上初の事例を引き起こすなど、規格外の新人議員であることは間違いないガーシー議員。近頃、そんな彼の環境に、変化が訪れたという。関係者が語る。
「現在、ガーシー議員はドバイではなくハワイに滞在しているようです。友人でエイベックスの松浦勝人会長も、ハワイにいるガーシー氏に会いに行く予定だったことを自身の動画で明かしている」
参議院国際部国際交流課によると、議員の海外滞在には海外渡航届を提出しなければならないが、「ガーシー議員は当選時点でドバイにいたので、当選後、海外渡航届を提出しましたが、議院運営委員会はそれを了承していない状態です。(ハワイ滞在については)滞在先が変わった場合は再度、申告が必要ですが、個別の議員に関することは、届け出があったか否かも含め、お答えしておりません」という。
ガーシー議員のハワイ移動を聞いた参院職員は困惑してこう語る。
「ハワイにいるとしたら、渡航届は出ていないと思います。以前、一度、ドバイから別の国に行った際は渡航届を出していたはずですが……」
陳謝に応じるかどうかの議院運営委員会への返答期限は2月27日午前で、3月1日の参院本会議で陳謝に応じる必要があるためタイムリミットが迫っている。日本中を巻き込むガーシー劇場。どんな結末を迎えるのか。
【2023年2月27日 12:45追記】10時50分ごろ、ガーシー議員が、議場での陳謝に応じる意向を示した文書を参議院に対して提出しました。それを受け、タイトルを一部変更しました。
※週刊ポスト2023年3月10・17日号