国内

元2世信者・小川さゆりさんが告白「母は養子に出すことを念頭に産んでいたとしか思えません」

信者同士で養子縁組を進めることもあったという

信者同士で養子縁組を進めることもあったという

 信者間で養子縁組が繰り返されていた旧統一教会(世界平和統一家庭連合)。厚生労働省はこれに関する刑事告発を検討しているが、いまだ事態は進展していない。元2世信者である小川さゆりさんは「子どもの人権が守られていない」と訴え、3人の妹が養子に出されていた実態を近日刊行の手記『小川さゆり、宗教2世』で明かした。【第4回。第1回から読む】

 韓国で行なわれた合同結婚式で両親が結婚し、ふたりの兄に続く3人目の「神の子」として生まれた小川さん。だが、その後生まれた妹たちには、ある運命が待っていた。小川さんが明かす。

 * * *

養子縁組は「美しい伝統」

 母が下の妹を妊娠したのは、私が4歳の頃でした。「あなたのきょうだいだよ」と聞いたときは嬉しくて、わくわくしていたのですが、あるとき、母はこう言ったのです。

「この子は養子に出すんだよ」

 統一教会では子どもを授からなかった信者夫婦が、子どものいる別の信者の子と養子縁組することを「美しい伝統」と呼び、長らく推奨されてきたそうです。1981年以降に745人が養子縁組されたと聞きます。国からの質問書に対して、教会は「いずれも信者間の個人的な関係をもとにした養子縁組について報告を受けたもので、あっせんは行なっておらず、法的な許可も取っていない」と回答したと報じられています。

 でも、幼児だった当時の私にそのことが理解できるわけがありません。どうして妊娠中に養子に出すことが決まっていたのかという疑問を持つことなく、そういうものなんだと思うばかりでした。

 母が臨月を迎える頃になると、里親となる養母さんが私たちの家に泊まり込みにきました。養母さんは母の世話をしたり、私たちきょうだいと遊んでくれたりして、子どもが生まれるのを待っていました。彼女は妹が生まれた後も、しばらく我が家に泊まっていました。

 妹が生まれたばかりのとき、私は嬉しくて2階のベッドで寝ている彼女を何度も見に行きました。「わあ、ちっちゃいな、かわいいな」と思い、母にお願いして抱っこをさせてもらいました。

 赤ちゃんは本当にかわいい存在でした。「一緒に住めたら嬉しいけれど、それはできないんだな」と思うと悲しい気分にもなりました。

 それから何日かが経って、妹はあっけなく「さようなら」という感じで連れて行かれました。

 妹を引き取った養母さんは40代くらいで、母よりも年上のように見えました。何らかの事情で子どもを授かれなかった人だったのだと思います。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
「2024年に最もドッキリにかけられたダマされ王」ランキングの王者となったお笑いコンビ「きしたかの」の高野正成さん
《『水ダウ』よりエグい》きしたかの・高野正成が明かす「本当にキレそうだったドッキリ」3000人視聴YouTube生配信で「携帯番号・自宅住所」がガチ流出、電話鳴り止まず
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン