国内

30年以内に70%の確率で起こるとされる南海トラフ地震 過去の例では49日後に富士山噴火も

東日本大震災時の津波。南海トラフ地震では、約2倍の高さで到達する(共同通信社)

東日本大震災時の津波。南海トラフ地震では、約2倍の高さで到達する(共同通信社)

 トルコの大地震は世界中に衝撃を与えた。そして知ってのとおり、日本もまた地震大国。同じ規模か、それ以上の大地震がいつ起こるとも限らない。起こりうる被害を予測しておく必要があるだろう。【全4回の第3回。第1回から読む】

 そもそも、何月何日にどれほど大きな地震が来るかなど、誰にもわからない。わかったとしても、地震が起きることを防ぐすべはない。しかし、過去の膨大なデータやそれを解析する研究により、どんなことが起こりうるか予測することはできる。

 東京都は2022年5月、首都直下地震の被害想定の見通しを10年ぶりに更新した。最大の被害が想定されるのは「都心南部直下地震が冬の夕方、風速8mの状況下で起きた場合」で、約3600人が地震の揺れによって、約2400人が火災によって死亡すると予測されている。東京工業大学教授の山中浩明さん(地震工学が専門)が言う。

「現時点でもっとも起きる可能性が高いのは『南海トラフ巨大地震』。M8〜9の大地震が今後30年間のうち70%程度の確率で起こるとされています」(山中さん)

 南海トラフ巨大地震は東海地震・東南海地震・南海地震が連動して起きると考えられており、ひとたび起きれば宮崎から静岡までの広範囲に津波が押し寄せるとされる。恐ろしいのは、それだけではない。1707年10月に起きた宝永地震は南海トラフ巨大地震だったとされるが、なんとその49日後、富士山が噴火しているのだ。武蔵野学院大学特任教授で地震学者の島村英紀さんが言う。

「噴火のわずか2時間後、江戸に火山灰が降り注ぎました。富士山から東京までは約95km。つまり、南海トラフ巨大地震が起きると、高確率で東京に火山灰が降ることになるのです。特に、秋から春にかけては季節風で東京方面に灰が向かいやすい。火山灰はガラス質の細かい粉で、吸い込めばほんのわずかの量でも肺炎のリスクが高まるほか、飛行機のエンジンの故障やパソコンの破損を引き起こす可能性もあります」(島村さん・以下同)

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン