歌手の野口五郎が2月23日、67才の誕生日を迎えた。当日に開催されたバースデーコンサートに足を運んだのは、コラムニストで放送作家の山田美保子さん。アップデートし続ける野口五郎の魅力について、山田さんが綴る。
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年齢を重ねても柔軟性にあふれ歌唱力も衰え知らず
2月23日、野口五郎サンのお誕生日に開催された『Goro Noguchi Concert Tour 2023〜life is a gift〜Bunkamuraオーチャードホール』(東京・渋谷)に伺う機会に恵まれました。
五郎サンが歌手デビューから50年の節目を迎えた2021年より、堀越高校の後輩でもある岩崎宏美サン(64才)とのデュエット曲をリリースしたり、精力的にコンサートを行ったりしていらしたことをご存じのかたも多いでしょう。特に、今年1月25日、DVD・Blu-rayとして発売された『野口五郎・岩崎宏美 2022.7.1 東京国際フォーラムwith東京フィルハーモニー交響楽団』は大きな話題となっています。
今回もストリングスと生バンドを背負って2時間余り、衣装替えもせず、ずっとステージに立ち続け、MCやセンスあふれるグッズ紹介、客席いじり、ギター演奏、そして歌まですべてひとりでやりきった五郎サンには、「本当にすばらしかった」と繰り返し、お伝えしたい気持ちです。
1週間に50本以上の音楽番組があった時代に、西城秀樹さん(享年63)、郷ひろみサン(67才)と「新御三家」のおひとりとして一世を風靡した五郎サン。デビュー曲は『博多みれん』という演歌だったこと。「野口五郎岳」という山が芸名の由来であることや、本名の佐藤靖さんと同音異字のアナウンサーが文化放送にいたことも知っている私は『明星』、『平凡』含め、五郎サンを追い続けたものです。
洋楽にも精通し、自身もギターの名手であること。さらに、「新御三家」とはユニットのように活動することもあった「花の中三トリオ」の森昌子さん(64才)と並ぶ名人として、ものまね番組でも活躍されました。
バラエティーの才能は、『カックラキン大放送!!』(日本テレビ系)で開花。私は五郎サンが扮する「刑事ゴロンボ」のコーナーが大好きでした。
そして五郎サンはものまねをされることにも寛大です。私が大好きな『真夏の夜の夢』は、コロッケさん(62才)によって岩崎宏美サンの『シンデレラ・ハネムーン』同様、妙なイメージがつけられてしまいましたが、そのコロッケさんとも親交があります。