宿命のライバル・韓国との一戦となった3月10日のWBC日本代表。会場となる東京ドームでは早朝からユニフォームなどのグッズが売り切れた。東京ドーム近くのスポーツバーでは店外にもスピーカーを設置し、23時過ぎの試合終了まで人だかりができるなど大きな盛り上がりをみせた。
試合は大谷翔平(28)などの活躍により、日本が13-4で圧勝。最後のアウトを取った瞬間、スポーツバーでは「フォー」と歓声が上がり、「日本最強! 日本最強!」のコールが響いた。
特徴的だったのは、「韓国のサポーター」も日本人と一緒に観戦を楽しんでいたことだ。韓国代表のユニフォームを着たふたり組の韓国人女性は「生で韓国vs日本戦が見たくて、旅行に来たんです」と話す。
「先に韓国が3点取った時は盛り上がったけど、一番興奮したのはオオタニ選手がタイムリーを打った時かも。私は韓国だとイ・ウィリ(20)のファンだけど、日本だとオオタニサンが一番好きです」
大谷選手のタオルを手にはしゃぐふたり。日本が逆転したあとも、周りの日本サポーターとともに観戦を楽しんだという。
韓国国内でも、大谷の人気は群を抜いている。スポーツ紙だけでなく一般紙でも取り上げられるほどで、「礼儀正しいところも、ルックスも最高!」と前出の女性は語った。この日の試合前練習で柵越えを連発する大谷に、韓国代表選手がウォーミング・アップを中断して見入っていた。
韓国は前日の3月9日にオーストラリアに7-8で負けたのに続き、昨日の試合で一次ラウンド2連敗。この後戦うチェコと中国に勝って2勝し、さらにチェコがオーストラリアに勝たなければ2次ラウンドに進出できず、暗雲が立ち込めている。
「他の日本の選手も好きで何人か知ってます、ゲンダとかシュウトウとか。勝ち負けも大事だけど、好きな選手を見るのが好き。TWICEみたいに混成チームで第2ラウンドに出られたらいいんですけどね(笑)」(前出の韓国人女性)
チームの壁を越えたファンが生まれるのも、国際大会ならではの醍醐味だ。